ステルス機発展史「世界初のステルス戦闘機、Ho229完成せず」
ステルス機発展史「世界初のステルス戦闘機、Ho229完成せず」

ステルス機発展史「世界初のステルス戦闘機、Ho229完成せず」

現代の先進国が保有する最新鋭戦闘機では重要な能力とされている『ステルス』。レーダーその他のセンサーに感知されにくい、感知されても反応がひどく小さくよほど近づかないと認識できないといった能力が期待されていますが、発想そのものはそれこそ飛行機が兵器として使われ始めた頃からありました。今回はそんな歴史の中から、レーダーに捉えられにくいことを狙った初期の飛行機、ドイツのホルテンHo229を紹介します。

つまり生産も整備修理も容易、戦時急造にはうってつけだったのですが、もうひとつ重要なことに塗料にはレーダー波を吸収する性質を持った炭素素材が使われており、電波吸収型のパッシブ・ステルス能力を持っています。 さらにはレーダー反射面積の広いジェットエンジンの空気取り入れ口周辺にはレーダー波を乱反射させる凹凸があったほか、機体形状そのものがステルス性をもっており、2000年代の検証では「当時のレーダーになら十分なステルス性を持つ」と実証されたのです。

前線に持ち込まれた移動式レーダーや、夜間戦闘機用のレーダーが相手ならば「探知が非常に難しく、探知しても目の前に迫ってから」となる可能性の高かったHo229は、まさに世界初の対レーダーステルス戦闘機でした。 実用化されていれば、確実に連合軍への脅威になったはずですが、残念ながら制式採用時には東からソ連軍、西から米英など西側連合軍がドイツ本土に迫っており、もはや時間切れ、量産する時間が無かったのは残念です。

Ho229は試作機がアメリカ軍などに捕獲されましたが、いずれも未完成だったため飛行試験などは行われなかった模様で、コクピットやエンジンを含む主翼中央部のみが現存してアメリカの国立航空中博物館に、レプリカがサンディエゴの航空博物館で保管されています。

なお、アメリカでも全翼機の先駆者ジャック・ノースロップによって積極的に全翼機が作られていましたが、2018年現在実用化・実戦配備まで至ったものは軍民含めて1997年より配備開始されたノースロップ・グラマンB-2“スピリット”ステルス爆撃機しか存在しません。 あまりにも早すぎた先駆者、ホルテン兄弟は戦後もアルゼンチンに渡って全翼戦闘機や全翼輸送機を作りますが、同国の財政難でいずれも実用化されずに終わりました。

菅野 直人

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