位置演算子・運動量演算子の行列表示とエルミート性
位置演算子・運動量演算子の行列表示とエルミート性 位置や運動量を行列で表現したハイゼンベルク方程式と、電子を波によって表現したシュレディンガー方程式は \[\left\ \left(\frac+V(X)\right)\psi &= W\psi\\ \left(-\frac \frac + V(x)\right)\phi &= E\phi \end\right.\tag \]
位置や運動量を行列で表現したハイゼンベルク方程式と、電子を波によって表現したシュレディンガー方程式は \[\left\ \left(\frac+V(X)\right)\psi &= W\psi\\ \left(-\frac\frac + V(x)\right)\phi &= E\phi \end\right.\tag \] という感じでよく似ていた。で、前回の検討の結果、 \[\left\ P&\Longleftrightarrow -i\hbar\frac\\ X&\Longleftrightarrow x \end\right.\] という対応関係がついていることを仮定すれば、PやXに相当する演算子\(-i\hbar\frac\)と\(x\)の間に交換関係 \[\left[x,-i\hbar\frac\right] = i\hbar\tag\] が成り立っていて、いい感じになったのだった。
\)で表す方法を書いておく。それには正規直交基底\(\phi_n(x)\)というのを使って、 \[\begin f_n&=\int\phi_n^*(x)f(x)dx\\ a_&=\int\phi_m^*(x)\hat\phi_n(x)dx \end\tag\] という計算をすればよかった。逆にベクトル・行列から関数・演算子をそれぞれ作り出すには、 \[\begin f(x)&=\sum_nf_n\phi_n(x)\\ \hatf(x)&=\int\left(\sum_m\sum_n\phi_m(x)a_\phi^*_n(x')\right) f(x')dx' \end\tag\] という感じになる。3.位置・運動量演算子のエルミート性
位置演算子\(x\)を行列表示すると、 \[X_=\int\phi_m^*(x)x\phi_n(x)dx\tag\] だ。これがエルミート性\(X^\dagger=X\)を持っていることを示そう。成分表示では、\(X^*_=X_\)を示せばいい。 \begin X_^*&=\left(\int\phi_n^*(x)x\phi_m(x)dx\right)^*\\ &=\int\phi_n(x)x\phi_m^*(x)dx\\ &=\int\phi^*_m(x)x\phi_n(x)dx\\ &=X_ \end のように示せる。簡単だった。
これも、 \[P_=\int\phi_m^*(x)\left(-i\hbar\frac\right)\phi_n(x)dx\tag\] のように行列表現して計算してみると、 \begin P_^*&=\left(\int\phi_n^*(x)\left(-i\hbar\frac\right)\phi_m(x)dx\right)^*\\ &=\int\phi_n(x)\left(i\hbar\frac\right)\phi_m^*(x)dx \end こっちは少しむずかしい。ここまで特に仮定していなかったが、ここで\(\phi_n(x)\)という関数たちは無限遠(もしくは考えている変域の端)で0になるという条件をつけよう。この条件は別に不自然なものではない。シュレディンガー方程式の解というのは、基本的には無限遠で0になっているような解が多いからだ。(自由粒子なんかは無限遠でも波動関数が存在しているが、そういうのはとりあえず無視しよう。結構そのへんの扱いは難しいのだ。)
で、そうすると部分積分を使うことによって \[=-\int\phi_m^*(x)\left(i\hbar\frac\right)\phi_n(x)dx\\=P_\] と変形していくことができる。
これで\(x,-i\hbar\frac\)という演算子たちが、エルミート性を持つということを示すことができた。この2つの演算子が交換関係を満たすことは前回示したから、これでこの演算子から作られる行列\(X,P\) ( (5), (6) ) がハイゼンベルク方程式 \[H(X,P)\psi = W\psi\tag\] の\(X,P\)にふさわしい性質を持つことが分かった。
4.本当のシュレディンガー方程式
本当の、というとなんだか変な言い方になるかもしれない。しかし、よくシュレディンガー方程式と呼ばれる \[-\frac\frac + V(x)\phi=E\phi\tag\] という方程式はシュレディンガーの功績を全く表していない。そのことについて、ここまでの議論を踏まえた「本当の」シュレディンガー方程式について説明しながら見ていくことにしよう。続きは別の回で。
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