久留里線の旧線
元は千葉県が経営する県営鉄道の軽便線であった久留里線。国有後に改軌がなされた同線ですが、一部に軽便線時代から線形を替えた箇所があります。
こうして1923(大正12)年9月24日に無事買収取引は完了ましたが、この頃国では 地方開発のための新線建設を重視した政友会と、限りある予算の中で既存の路線の改良を重視した憲政会の政党によって異なる鉄道政策が政権交代のたびに入れ替わり、最終的には不況などの要因もあって鉄道建設の予算が削減されてしまいます。 その結果久留里軽便線は改軌も延伸もされず、これでは約束と違うだろ という県議会の抗議が起こったと言われています。結局、買収から7年が経過した1930(昭和5)年8月20日にようやく改軌が行われ、延伸工事も1936(昭和11)年に上総亀山まで行われました(が、その先へ伸びることはなかった…というのは、木原線構想のエピソードとしても有名です)。
千葉県営鉄道久留里線(1912) ↓買収(1922) 国鉄久留里軽便線 ↓改軌(1930)・延伸(1936) 国鉄 木原西線 ↓名称変更(建設を断念したからか?) 国鉄久留里線 ↓民営化(1987)JR久留里線
詳しい線形についてのヒントが全くないので完全に推定なのですが、とりあえずどこかの区間で「何かしら」を削っているのです…第一回訪問
元は千葉県が経営する県営鉄道の軽便線であった久留里線。国有後に改軌がなされた同線ですが、一部に軽便線時代から線形を替えた箇所があります。
まずは小櫃駅そのものの調査目的で下車。 かつては対向式二面二線の交換駅だったそうですが、1980年代以前に棒線・無人駅になっています。 木更津側の線路の不思議な曲がり方を見ると、分岐していた様子がはっきりと分かります。 可愛らしい小さな駅舎。 駅の久留里寄りにはかつての貨物ホームの跡が残っており、建物自体は元の貨物ホームとは関係ないと思いますが、その場所は駐輪場として再利用されています。 また、かつての反対側 ホームも残ったままです。 横の斜面からホーム上へ上がってみました。一部は保線用の置き場に利用されています。 草むらの中をじっくり見るときちんとホームの端の部分も見ることが出来ます。 旧ホームの横を見るとなんとSLが。 近くには勝手踏切がありました。 久留里線民ってどこの駅でもすぐ線路を歩きますね… 駅からすぐそばの用水路をまたぐ場所を見てみましたが、ここが付け替え後の物なのか、当初のままのモノなのかを判別することはできませんでした。雰囲気的には付け替え後っぽいのですがねぇ…第二回訪問
元は千葉県が経営する県営鉄道の軽便線であった久留里線。国有後に改軌がなされた同線ですが、一部に軽便線時代から線形を替えた箇所があります。
どうも煮え切らない後日、地図の航空写真をぼんやり眺めていると、旧線の路盤のような物を見つけました。 小櫃から御腹川までのこの間にひょっとしたら旧線の痕跡があるのではと思い、再調査を実施してみる事にしました。 前回からおよそ2か月後、再び小櫃の地へ来ました。 撮影していなかった貨物ホーム跡地をまずは記録。菜の花が咲いています。 やはり前回の見立て通り上の建物は関係ありませんでしたが、ホームがきちんと残されていました。 車止めの後も一つ残っていました。この貨物ホームの広さからして、当初から一線のみの造りだったと思われます。 貨物ホームの記録を終え、路盤跡が疑われる場所を目指して歩きます。 途中の路地を何か所か覗きましたが、具体的な痕跡を見つける事は出来ませんでした。 路盤跡の残存が疑わしい所までやってきました。とりあえず御腹川を目指します。 更に進み、川の近くまでやってきました。久留里線の御腹川橋梁(?)が見えてきます… おいおいおいおいなんか見えてるぞ… きゅ、旧橋脚だあああああああああ! 初代:御腹川橋梁(残存は橋台のみ) 施工年:1915(大正4)年 (※同区間の開業年は1912) 所属・管轄:千葉県営鉄道→日本国有鉄道(1923年) 使用終了年:1930(昭和5)年 使用終了理由:改軌による線形変更・橋の付替 経年:102年・実働15年 奥にあるのはもちろん今の久留里線の鉄橋です。 そしてレンガの積み方。劣化が酷くぱっと見は長手積み?のように見えますが、よくよく見直せばオランダ積み(イギリス積み)でした。 橋台から小櫃寄りを振り返って一枚。この橋台のお陰でここが路盤であったことが証明されました。 鉄道用地の境界柱の存在も確認できました。 出来るだけ路盤に沿いながら小櫃駅方面へ戻ってみます。 小櫃駅に戻ったところで今回もタイムアップ。木更津へと戻りました。こんな感じでホームの高さと列車の床面との段差が凄いですが、段差が規定内であることを理由にホームの嵩上げはされていません。 「「廃」探索レポート」カテゴリの最新記事 「地域別:千葉県」カテゴリの最新記事- コメント数: 3 コメント
- カテゴリ: 廃線・廃駅・未成線・旧線・旧駅地域別:千葉県
- by 三島 慶幸
コメント
元は千葉県が経営する県営鉄道の軽便線であった久留里線。国有後に改軌がなされた同線ですが、一部に軽便線時代から線形を替えた箇所があります。
コメント一覧 (3)- 3. もとき
- 2019年02月22日 00:59
- ご推察のとおり、西側にも線路があり、貨車が停車していた記憶がございます。 交換するダイヤは組まれていなかったと思います。駅員もいましたが、通票の授受は扱っていませんでした。 無人化の際、しばらくは簡易ポイントとなり保線車両の留置に使われました。
- 2. 管理人
- 2017年06月22日 20:37
- コメントありがとうございます。マンボウさんの仰る通り確かにアンバーパスの北の踏切から地図上でいう右方向(南東方向)に用地が広がり、JAきみつ小櫃から駅前、貨物ホームを抜けて当記事で発見した路盤に重なるルートのような物を確認できました。 改軌による距離変更は小櫃から俵田間で行われたとの記録ではありますが、同時に下郡から小櫃でもルート変更が行われた可能性は十分にあると思います。(距離が変わらなかったため記録に残らなかった?) 貴重な情報提供ありがとうございました。
- 1. マンボウ
- 2017年06月22日 17:51
- いつも楽しく拝見させていただいてます。 よく通るのに線路のつけ替えが有ったのはわかりませんでした。
航空写真を見ますと小櫃駅の北のアンバーパスのさらに北の踏切から 線路の東側に線路用地が南に行くにしたがって広がっているように見えます。 交換設備は西側なので関係なく、付け替え用地跡ではないでしょうか?。 その踏切から広がった所・貨物ホーム・郵便局を通り、 第二回訪問の航空写真の「↑木更津」の「津」の所を通るように思います。 そうすると、田んぼのカーブも一致します。