脚本のルール
脚本のルール

脚本のルール

脚本の書き方にはルールがあります。それが小説と違うところです。なぜ小説と違い、ルールがあるのかというと、読み手が限られているからです。脚本を読む人は、映画やテレビドラマ制作に携わる方々になります。そのための書き方を紹介します。

初めて脚本を書こうと思ったとき、多くの人は脚本を読んだことがないと思います。 脚本の書き方にはルールがあります。それが小説と違うところです。なぜ小説と違い、ルールがあるのかというと、読み手が限られているからです。 脚本を読む人は、映画やテレビドラマ制作に携わる方々になります。 脚本家が図面を引き、工務店のテレビ局や制作会社が、監督や役者、カメラマンや大道具さんを用意して、完成させていく。完成した家を購入するのが、観客や視聴者というわけです。 ですから、一般の方が脚本に触れることはないんですね。

「柱、ト書き、セリフとは?」 A.柱について

回想シーンは、 ◯(回想)同・リビング と、場所の前に(回想)と分かりやすく入れておけば、それが回想シーンなのだと理解されます。終わるときは、そのシーンの最後に(回想終わり)と記しておけばいいです。 あるいは、次のシーンで、 ◯(戻って)同・リビング としてもいいです。 柱については、だいたい以上です。興味があれば、シナリオを手に入れて確かめてみましょう。細かいところで、人それぞれ書き方が違うこともありますが、一応これが基本です。

B.ト書きについて

『と、<行動>。』これが、ト書きです。『ト、<行動>。』 難しいのはどこまでト書きを書き込むかです。 プロデューサーや監督によって好みがあるので、聞いてみるといいです。ト書き部分に関しては、現場に任せてくれという方と、ちゃんと心情を表すト書きにして欲しいという場合があります。 コンクールの場合はそんなに細く書き込まないほうが好まれるかもしれません。

また細かいことですが、 ◯:桃太郎、目覚まし時計を止める。 △:桃太郎が目覚まし時計を止める。 というように、『が』がいりません。 これはテンポやリズムが出やすいのでそう書いたほうがいいというだけだと思います。私もシナリオを教わったとき、「桃太郎が」「梨花子が」というふうに書いていると、脚本を読み慣れている先生から「何か意図があって書いているならいいが、癖ならやめなさい」と注意されました。またテンポが悪いと注意されていたのも、この表記にするだけでずいぶん変わりましたので、同じ癖がある人は一度やめてみましょう。

<人物名を最後に示すとき> 梨花子「赤鬼が帰ったわ!」 ホッと息を吐く桃太郎。

<初登場の人物は、フルネームの後に(年齢)を書く> 高橋桃太郎(20)、きび団子をこねる。

<テロップの書き方は、『T』と書く> T『半年後』 桃太郎、きび団子の店を開く。客はまばら。

C.セリフについて

<セリフの感情や動作を交えたセリフを表現したい時> 桃太郎「(苦笑いで)きび団子だけで鬼退治は無理だよ……。往復14時間もかかったし、それに」 梨花子「(厳しい目で)それでも行くのよ」

<人物の声のみの場合は3通りある> 桃太郎N「父さん。相変わらず鬼が暴れているわけで」

ナレーション。朝ドラなどでよくある語り部。ドラマ冒頭の説明などの声などは、『人物名N』と書く。 モノローグ。人物の独白。心の声は、『人物名M』と書く。 また、『人物名の声』と表記してもよい。ナレーションなのかモノローグなのかが曖昧であったり、単純にその場面に出てこない人物の声だけがほしい時などに使います。電話の相手とかの場合も『桃太郎の声』というように書く。

「3幕構成とは?」

<3幕構成について> ストーリーには、1幕に発端(状況設定)、2幕に中盤(葛藤)、3幕に結末(解決)があります。これを簡単に表しますと、ある日常から(1幕)、非日常へ飛び込み(2幕)、新しい日常が始まる(3幕)構成と考えてください。ある日常から、非日常へいきました、ではダメです。必ず3パートに分かれます。

たとえば、『SAW』という映画は非日常からスタートしてるじゃないかと思われますが、あれはストーリーの外見上そうですが、主人公を追うと3幕構成になっています。 まず主人公は、なぜこんな状況になったのかという日常を思い出します。これが1幕です。そして、その状況を受け入れ、今起きてる非日常をどう打開し、元の日常へ戻るのかという格闘をするのが2幕。3幕で、なぜこんなことになったのかという謎が解け、彼らをハメた犯人の思惑も理解し、主人公は新しい日常を迎えるはずが、ああいう結末を迎える、という作りです。 つまり、ストーリーを3等分するのではなく、主人公の話を中心に3等分する。

きっちりと『1:2:1』の分量で書かれてると言われてます。 120分の映画ですと、1幕が30分、2幕が60分、3幕が30分。 ピクサーはルールがちゃんと出来ているそうです。そういう情報も公開してますので、検索してみるといいでしょう。

<1幕は何を書くのか?> 1幕は、発端と呼ばれるパートで、どんな人物が、どんな状況で、何をしたいのかをまず観客に知らせします。ここで失敗すると、いつになっても観客はストーリーに乗れないという事態が起きます。

<どんな人物が、どんな状況で、何をしたいのか、をどう書くか?> 『どんな人物か』というのは、主人公のキャラクター設定になります。キャラクター設定についてはまた後述します。

<2幕は何を書くのか?> 2幕は、主人公の葛藤を通して、観客に感情移入をさせていきます。 葛藤させるには、目的達成を阻む対立と障害が必要です。対立する悪役やライバルはいつも主人公よりちょっと強くないといけない。障害はそれを乗り越えないと、もっと悪い事態になるという切迫感がないといけません。

<3幕は何を書くのか?> 3幕は、解決のパートです。「主人公はそれでどうなった?」が解決していないと不完全燃焼になってしまいますので、カタルシスのあるエンディングをきちんと用意してください。

このパートでは、主人公の目的達成がクライマックスです。それと同時に、主人公の人間性も1幕より変化していることが重要です。 新しい日常とは、1幕の日常よりも視界が晴れ、変化した自分を受け入れ、そして新たに前へ進むということです。この変化は、主人公だけでなく、主人公の周りの人間も影響を受けているはずです。 そしてテーマを感じさせる。この映画はこういうことを伝えたかったんだと感じさせることができると、感動が増します。

<ターニングポイントを必ず作る!> 2幕と3幕の入口の前に、主人公のターニングポイントが必ずあります。日常から非日常に入るきっかけ(1幕→2幕)、非日常から日常へ戻るきっかけ(2幕→3幕)を作ります。

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