アナグマ(二ホンアナグマ)を見つけたら? 害獣の被害防止対策、生態から撃退法まで解説
アナグマ(二ホンアナグマ)を見つけたら? 害獣の被害防止対策、生態から撃退法まで解説

アナグマ(二ホンアナグマ)を見つけたら? 害獣の被害防止対策、生態から撃退法まで解説

この記事では、農家の方々やニホンアナグマの被害でお悩みの方向けに、アナグマの知られざる生態や農作物への被害状況、自分でできるアナグマ対策について解説します。アナグマとハクビシンを見分けるコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

人里に出没し農作物を荒らす害獣といえば大型動物をイメージしがちですが、アナグマ、アライグマ、ハクビシンなどの中型動物による農作物への被害も深刻化しています。中でもアナグマは、かわいい見た目とは裏腹に、獰猛な性格の持ち主。対策しないでいると、農作物を食い散らかしたり、人間がむやみに近づいて怪我をする例も少なくありません。アナグマ対策最大のポイントは、ズバリ「侵入させないこと」「穴を掘らせないこと」。今回は、あまり知られていない穴掘り名人の中型動物・アナグマの生態やアナグマがもたらす被害、その撃退方法に迫ります。

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アナグマってどんな動物?

アナグマについて

「同じ穴の狢(ムジナ)」ということわざがありますが、このムジナとは主にアナグマのことを言います。アナグマの掘った穴にタヌキが住むことがあり、見た目も似ていることから、このことわざは「実は同類」という意味で古くから使われてきました。しかし実のところは同類ではなく、系統的には随分離れています。タヌキはイヌ科タヌキ属、アナグマはイタチ科アナグマ属です。

アナグマの特徴

全長約45〜70センチ体重約5〜13キロの胴長で小さな頭、短い尾が特徴。顔には頭部から目の下にかけて黒い模様があり、鼻筋が白いので、名前の似ているアライグマよりも外見はハクビシンに似ています。その名の通り、5本の指の長い爪を使って穴を掘るのが得意で巣穴を掘って暮らします。

アナグマの生態

夜行性で昼間は巣穴の中で休み、4~5頭の家族からなる群れを形成します。群れで巣穴や縄張りを共有しますが、狩りは単独行動。寒冷地に生息する個体は、冬季になると巣穴の中で冬ごもりを行います。 野生下での寿命は、およそ10年程度と言われているようです。

ニホンアナグマは絶滅危惧種

日本の固有種であるニホンアナグマは狩猟の対象になっていますが、急激な駆除数の増加や農地開発による生息地の破壊、外来種のアライグマとの競合などにより生息数の減少が懸念されています。繁殖率も低いため、自治体によっては絶滅危惧種Ⅱ類や準絶滅危惧種などに指定されています。

アナグマとハクビシンを見分けるコツは?

アナグマは、ハクビシンとよく間違われる動物の一つ。2匹にはどんな違いがあるのでしょうか?見分けるコツとして、一番手っ取り早い方法は「体つき」です。

もう一つの見分け方が、正面から見た「顔の模様」です。ハクビシンの顔は、頭から鼻先まで伸びた白い線状の模様が特徴的。遠くからでも目立ちますし、他にも目の上下や耳の前に白いまだら模様があります。そして鼻はピンク色です。

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アナグマがもたらすさまざまな被害

作物の被害

自治体によっては絶滅危惧種に指定されているニホンアナグマですが、国内の竹林の増加により巣穴作りに適した生息域が広がり、アナグマの数が増加している地域もあります。人里を最高のエサ場として農作物への被害も拡大してきました。 頻繁に見られる被害状況としては、イチゴ、スイカ、トウモロコシや落花生など、アナグマの好物とされる甘みのある作物、柿などの果樹への被害の他、雑食性のため養蚕施設に入り込んで蚕を食べたという報告もあります。得意の穴掘りで農地を掘り起こされたなど、アナグマ特有の被害も発生しています。

建物への被害

また、建物への被害なども考えられます。前述した通り、アナグマは地面に穴を掘って巣をつくる習性があります。基本的には同じ巣をずっと使い続けるため、時間が経つにつれて巣穴は大きくなっていきます。このことから、もし巣穴を建物の下につくられた場合、地盤が緩くなることで建物などが倒壊する恐れがあります。地震が多い日本では特に、こういった被害も問題視されているのです。

アナグマを追い払う被害防止対策は?

アナグマの侵入を柵で予防する

アナグマの被害を防ぐために一番重要なのは、地面を掘って農地に入ってくるのを防ぐことです。そのため、ワイヤーメッシュ柵やトタン板での防御がオススメです。トタン板は、侵入防止だけでなく「視界を遮る」効果も期待できます。畑の中の様子をわかりにくくして、アナグマから農作物を守ります。

農作物や生ゴミなどを畑の近くに放置しない

規格外の野菜や果物、家庭の生ゴミなどを畑の近くに放置していませんか? こうした人間の無意識な行動がアナグマを呼び寄せる一因になります。万が一畑まできてしまうと、新たな農作物被害が広がる可能性がありますし、アナグマがここは餌場だ!と認識してしまうでしょう。

アナグマの嫌いな音や光を使って追い払う

アナグマだけでなく、野生動物は強い光や不意の音が嫌いです。赤外線センサーで動物を感知し、強力なLEDライトと人には聞こえない音「超音波」を出して害獣を追い払う装置もあるようです。しかし、機械の音や光は野生動物が慣れてしまい警戒心がなくなってしまう可能性も。そのため時々音を切り替えたり、光の点滅を別のものに変えたり、他の装置と組み合わせて使用するなど、臨機応変に対策していきましょう。

臭いの強い液体をまく 獣除けの商品はホームセンターなどで入手可能

こういった獣除けの商品は市販されており、ホームセンターやペット用品店などで入手できます。効果や効果の持続性には個体差がありますので、使用する際には取扱説明書をよく読み適切に設置・使用することが重要です。アナグマを追い払う際には環境や動物の生態、行動にも十分に配慮して対策を行いましょう。

アナグマは捕獲や駆除しても大丈夫?

日本にいるすべての野生動物は「鳥獣保護管理法」という法律で保護されているため、野生動物を勝手に捕獲や駆除をしてはいけません。違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。

詳しくは、各都道府県の自治体または下記の野生鳥獣の保護及び管理(環境省)ページのご確認ください。

アナグマの許可捕獲をおこなう際の手順は?

捕獲許可の申請 罠を仕掛けて捕獲

アナグマを捕獲する際には、罠を使用して生体を捕らえる方法が一般的。罠の設置には慎重な準備と適切な手順が必要です。罠の種類や大きさ、仕組みや材質などを選ぶ際には地域の法律や規制、許可の条件に合致しているかを確認しましょう。 さらに、猟具を使用して害獣を捕獲する場合は狩猟免許が必要です。狩猟免許を取得していない場合、罠を設置することは法律で禁止されていることがあります。免許取得には講習会の受講や試験への合格が必要であり、適切な手続きを踏むことが求められます。

捕まえたアナグマを処分

アナグマを処分する際には所轄の環境省や自治体の規定に従う必要があり、法律や規制に違反しないように注意しましょう。第一に、捕まえたアナグマを人道的な方法で処分することが重要です。例えば、環境省や自治体の指示に従って適切な方法で安楽死させるなど、アナグマが苦痛を感じないように処分しましょう。

アナグマを見つけた場合の連絡先は?

行政への連絡の義務はない 駆除業者に相談も

アナグマによって生活に害が及ぶ場合には、駆除業者に相談することも一つの選択肢です。アナグマは地中に穴を掘って生活するため、農地や庭園などに被害を与えることもあります。その場合は、専門の駆除業者を利用しましょう。駆除業者は適切な方法でアナグマを駆除してくれるので、被害を最小限に抑えることができます。しかし、駆除業者に依頼する際には法律や規制に従って適切な手続きを行うことが大切です。

アナグマが隠れている場所は?

民家の床下

アナグマは地面に大きな穴を掘って生活することで知られていますが、都市部や農村地帯などでは民家の床下を隠れ家として利用することもあります。民家の床下はアナグマにとって暗くて静かであり、食物を求めて周辺を徘徊する際に利用されることがあります。特に床下の通気口や隙間などから侵入し、隠れてしまうことがあります。家の中で不快な動物臭や鳴き声が聞こえる場合には、アナグマが住み着いている可能性を疑ってみましょう。

木が多い場所

アナグマは、木が多い場所を隠れ家として利用することがあります。森や林の中を自在に移動し、樹木の根元や倒木の下などに隠れることができます。木が密集している場所や茂みの中、または森の中にある空間を利用して昼間は休息し、夜間に活動することが多いです。アナグマは自然環境に適応し、樹木を活用して身を隠しつつ捕食者や人間の目を避けながら共存しているのです。

アナグマは野良猫を食べる?

猫を食べることはない

アナグマと野良猫はどちらも都会や田舎の庭先や公園などで生活している姿を見かけることがありますが、アナグマが野良猫を食べることはありません。アナグマは一般的に小型哺乳動物や昆虫を食べる動物であり、食物の範囲は昆虫やミミズ、果物や種子、小型哺乳動物など多岐にわたりますが、野良猫はその食物の範囲には含まれません。また、アナグマは比較的小型の動物であり野良猫と比べて体が大きいわけではないので、野良猫を捕まえるのは困難であると言えます。さらに、野生の動物であるアナグマは人間の居住地に近づくことを避ける傾向があります。

まとめ

アブなすぎる害獣図鑑シリーズ 狩猟できる動物は48種に決められている! 前編・獣類20種

マイナビ農業編集部

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