【越前市】大瀧神社・岡太神社 下宮 (前編)~複雑怪奇に入組んだ屋根を読み解け!~
【越前市】大瀧神社・岡太神社 下宮 (前編)~複雑怪奇に入組んだ屋根を読み解け!~

【越前市】大瀧神社・岡太神社 下宮 (前編)~複雑怪奇に入組んだ屋根を読み解け!~

今回は福井県の観光地ということで、大瀧神社・岡太神社(おおたき-・おかもと-)について。 大瀧神社・岡太神社は越前市の山際に鎮座している神社で、紙の神として知られています。この2社は奥の院こそ別々ですが、下宮は1つの社殿を共有しています。 そして最大の特徴は、あまりにも独特な構造の社殿。その異様な外観は、一度見たら忘れられないほどに強烈なインパクトがあります。 当記事では、例を見ないほど複雑な異形の社殿について、今までの私の知見をフルに活かして考察・解説して行きます。

どうしてこうなった! なぜこんなになるまで放っておいた?! わけがわからないよ。これを設計した人、許可した人、造った人、全員正気じゃない. まともなやつが1人くらい居なかったのか?! そうじゃなかったらこんな社殿にはならないだろ!

拝殿・本殿の構造

上の写真の右側が拝殿、左側が本殿で、簡単に言えば 2つの社殿の屋根が前後にくっついただけ です。

拝殿・本殿が一体になった社殿は別に珍しくないし、もっと複雑にくっついているものだってあります。あちこちに装飾や彫刻があるせいで、複雑に見えるだけでしょう。

右手前の拝殿を見ると、屋根は大棟が前後方向に走っており、妻入です。

軒下の垂木を見ると、正面側には隅木があって、入母屋っぽい構造で唐破風の向拝(庇)に繋がっています。そして背面側は隅木も庇もなく、ただの切妻。これは、神社建築でメジャーな 春日造 (かすがづくり 厳密に言うと隅木入り春日造になる)という様式です。

左奥の本殿を見ると、屋根は大棟が左右方向に走っており、つまり平入です。

そして、正面側の屋根が長く伸びています。唐破風と千鳥破風(写真 青丸)を無視して冷静に考えてみれば、これは神社建築で最もありきたりな 流造 (ながれづくり)という様式です。

以上をまとめると、この社殿は 「拝殿は春日造(隅木入り)、本殿は流造で、両者を前後に連結したもの」 というのが私の解釈です。

「本殿 桁行正面一間、背面三間、梁間四間、一重、流造、正面小屋根、 入母屋造、妻入、向拝軒唐破風付

拝殿 桁行二間、梁間一間、一重、入母屋造、妻入、向拝一間、軒唐…」

解読チーム(総勢1名)が総力を挙げてこの暗号を解いた結果、 「拝殿は入母屋(妻入)、本殿は流造で、両者を前後に連結したもの」 ということみたいです。私が出した解釈は、当たらずとも遠からずといったところでしょうか。

また、私が“唐破風と千鳥破風”と解釈した個所は、正しくは「 入母屋(妻入) で向拝に軒唐破風のついた 小屋根 」とのこと。