ブレイド ジオメトリー(刃_諸元)とは
ブレイド ジオメトリー(刃_諸元)とは

ブレイド ジオメトリー(刃_諸元)とは

ナイフのブレイドジオメトリー(刃の諸元・断面形状・傾斜角度)、エッジジオメトリー(刃先の諸元・断面形状・傾斜角度)の超基本について説明。加えてエッジアングル(刃先角)の測定方法も説明した、この知識は「ナイフの選定」や「ナイフを研ぐ際」に必要なことです。 blade_geomtry)とエッジジオメトリ()

②上記①項は非常に重要ですがブレードの厚さ、幅、長さも重要、 特に『刃厚』が重要 ブレイド_ジオメトリーがフルフラットグラインド等 及び ブレイド_シェイプがドロップポイント等が 同じでもブレード厚さ2.5mmと5mmのナイフは別物( 薄い方が切れ味が良い 、但し剛性は落ちる)、 →コンベックスグラインドで有名なバークリバーのナイフは同じシリーズで「標準の刃厚のもの」と「少し刃厚の薄い”LT”」が有ります、より切れ味を追求する方が多い からだと思います。

対称グラインド(symmetrical_grind)

フラット_グラインド(flat_grind: 「V形状」断面)

プライマリー_ベベル(primary_bevel)について :ブレイドの最初の傾斜面のこと ・フルフラット:スパインからエッジ(のセカンダリーベベル)まで ・スカンジ&セイバー:グラインドライン(しのぎ線)からエッジ(のセカンダリーベベル)まで

①フルフラット_グラインド(full_flat_grind) ・断面が逆三角形です。 ・ナイフの基本形で 最も汎用性が高い 、 カットより「スライス」 ・剛性は比較的低い 刃厚が厚ければハードにも使用可能

スカンジ_グラインド(scandi_grind)及びセイバー_グラインド(saber_grind) ・何れも断面が逆五角形で フルフラットグラインドより剛性は高い。

②スカンジ_グラインド(scandi_grind) ・一言で言えば 「ロバスト(robust)性が高い」、 ロバスト性とは いろいろな環境(の変化)に対応でき役に立つこと、ナイフの剛性が高い、切れ味が良い、フィールドでも研ぎやすい 等。 (モーラにロバストという名のハードに使えるナイフが有りますネ) ・ブッシュクラフトの定番、キャンプ用ナイフのグラインドとしては最も普及している。 ・一般的な刃厚は2~3.5mm、刃厚が厚いと切断抵抗が増えるのでセイバーグラインドの方が有利。 ・フラットグラインドの中では最も研ぎやすい。

③セイバー_グラインド(saber_grind) ・フルフラット_グラインドとスカンジ_グラインドの中間の性能

(上はenzo trapper 95 scandi、刃厚=3.5mm 、 下はspyderco endura4 saber、刃厚=3mm)

・スカンジ_グラインド: グラインドラインがブレイド幅の1/3付近~エッジ側の所から始まる、一般的には グラインドラインとエッジラインとの幅がポイントに向って狭くなる 。 グラインドラインがセイバーグラインドと同じブレードの高い位置から始まるハイスカンジグラインドと呼ぶ物も有る。

・セイバー_グラインド グラインドラインがブレイド幅の中央付近~スパイン側の所から始まる、一般的には グラインドラインとエッジラインとの幅が同じで平行 。 グラインドラインがスパインの直ぐ下側にある物はフラットグラインドなのかセイバーグラインドなのか曖昧な物がかなり有ります、またスカンジグラインドと同じくらい低い位置にグラインドラインが有る物も有ります。 また セイバーグラインドのナイフにはセカンダリーベベル(後述のエッジジオメトリーで説明)が必ず有ります。 (spyderco endura4 はブレイドシェイプがリーフ(leaf)形状のため、グラインドラインのブレイド幅に対する位置定義が不明瞭です、enzo trapper 95 と同じドロップポイント同士のナイフで比較できればグラインドラインの位置比較が一目瞭然ですが、セイバーグラインドのナイフはこれしか持っていません)

コンベックス_グラインド(covex_grind:「凸形状」断面)

ブレイドが凸形状となっている。一般的に ハマグリ刃 と呼ばれていますが、ハマグリ刃は区分上コンベックスグラインドですが、 ハマグリ刃はハマグリ刃でコンベックスとは少し異なる と思います。

コンベックス形状の定義が曖昧 です、ただ凸形状といっても起点、曲率、エッジからの距離とエッジアングルとか明確な定義は有りません、 一般的な斧(木工用を除く)は大きなコンベックス(曲率が小さい)ですが、日本刀や出刃包丁のハマグリ刃は わずかなコンベックス(曲率は大きい)です。 (斧にはハードウッド用とかソフトウッド用エッジゲージは有ります)

・エッジ(刃)が最も強く かつ耐久性が高い (だから日本刀はハマグリ刃) ・カットに強み ・研ぐのにある程度の技量が必要 ・安いナイフはオピネル位で一般的には価格が高い

ナイフマニアにはコンベックス_ピュアリスト(covex_purist 、コンベックス至上主義者)が多いですが、私は違いますヨ!。

コンベックス_グラインドのナイフはバークリバー(barkriver)やファルクニーベン(fallkniven)が有名ですが、 オピネルもコンベックスです 、フルフラットグラインドでは有りません。 実際 ブレイドに物差しを当てて見れば わずかなコンベックスで有ることが分かります。

(opinel no-8 carbon 刃厚=1.6mm)

ファロゥ (ホロー) _ グラインド(hollow_grind:「凹形状」断面)

ブレイドが凹形状になっている

・スライスやスキニングに適する ・ハンティングナイフでは定番 ・剛性は低い、ハードな使用には向かない

(buck 110(ワンテン) folding hunter 刃厚=3mm)

非対称グラインド(asymmetrical grind)

チゼルグラインド・ 片刃 が代表的な物ですが、セレイテッドエッジに使用されているフラットグラインドの左右違いや、一部の日本刀(片切り刃造り)に影響された左側フラットと右側コンベックスを組み合わせたグラインド、その他エッジの中心を左右のどちらかにズラす物も有ります。

また チゼルグラインド・ 片刃 には 裏スキの有るもの・無いもの、裏スキが有っても 裏オシ(平らな部分)の無いもの も有ります。

チゼル_グラインド(chizel_grind) 片刃

切れ味は非常に良いが真っ直ぐ切れない ・最も研ぎやすい ・日本料理には必須、 スライスには最強

片刃のナイフと言うか 包丁の分類になるかも知れませんが 「マキリ」です、一般的には漁師マキリとして普及してます。 (炭素鋼材で、海で使えば錆ますが、錆びれば研げば良い、切れ味と研ぎやすさ で使われています) このマキリは2k円程で 裏スキが有り 切れ味バツグンで研ぎやすく 非常にコスパの良い物で、 アウトドア用ナイフとして十分使えます。

(正広作 マキリ 刃長=135mm 刃厚=3mm)

エッジ ジオメトリー(刃先_諸元)とは

ナイフのブレイドジオメトリー(刃の諸元・断面形状・傾斜角度)、エッジジオメトリー(刃先の諸元・断面形状・傾斜角度)の超基本について説明。加えてエッジアングル(刃先角)の測定方法も説明した、この知識は「ナイフの選定」や「ナイフを研ぐ際」に必要なことです。 blade_geomtry)とエッジジオメトリ()

エッジ_ジオメトリー(edge_geomtry)とは直訳すると「刃先の幾何学」で 日本語としては「刃先の断面形状と傾斜角度」とか「刃先の諸元」となります。

( 参考 :切削加工の知識がある方ならご存じと思いますが「 構成刃先 」(built_up_edge)という専門用語が有ります、これは工具(ドリル・旋削チップ等)で金属を切削する場合に, ある切削条件(一般的には低切削速度)で,刃先 に生じる非常に硬く(加工硬化するため)て小さい凝着物の事をいう、これが発生すると工具にも加工物にも有害。 刃先構成 まぎらわし言葉と思います)

エッジ_ジオメトリー(edge_geomtry)の種類

エッジ_ジオメトリーには4種有ります、

セカンダリーベベル(secondary_bevel)は2mm程度から0.1mm程度の長さです、

マイクロベベル(micro_bevel)はギリギリ肉眼で確認できる0.1mm程度か それ以下の長さです、 基本 ハンディ顕微鏡(数10倍程度)以上の物で確認しないと分かりません。

セカンダリーベベル、マイクロベベルを付ける目的は エッジ(刃)を強化して 刃持ちを良くすること。 セカンダリーベベル部だけを研げば またナイフが元の状態に戻り全体を研ぐ必要が無く効率的。 但しマイクロベベルは無い方が切れ味は良いが刃持ちは悪くなる。

ブレードジオメトリーとこれらが組み合わさると 非常に多くの種類の特性を持ったナイフが存在します、このため ナイフに対するいろいろな意見が存在します。

(日本語ではセカンダリーベベル、マイクロベベルに相当する言葉として小刃、糸刃が有りますが、意味は同じ?、違う? と いろいろ意見があるので 英語のままとしています)

それぞれ一長一短有り、自分の好み、使用目的、ナイフの諸元(ジオメトリ・鋼材・熱処理)、自分の研ぐ技術 に合わせて選択して下さい。 私はナイフによって下記4種類すべて実戦しています。

①プライマリーベベルのみ【シングルベベル】 ・フラットグラインドのスカンジやチゼルグラインドでは切れ味抜群、いわゆるキンキンのエッジ(刃)ですが エッジがチップ(欠け)やロール(めくれ)し 刃持ちは非常に悪い(頻繁に研ぐなら良いが) ⇒ナイフ鋼材・熱処理、3次元研削盤の進歩で過去の常識は変わりつつあるようです。

本来のスカンジ_グラインドはこのタイプでフルスカンジ とか スカンジゼログラインドと呼ばれています、私が所持しているスカンジグラインドのナイフは何れも顕微鏡で確認するとマイクロベベルが付いていました。 ・コンベックスグラインドでは本来の姿

②プライマリーベベル+セカンダリーベベル【ダブルベベル】 このタイプが最も一般的 ・セカンダリーベベルをコンベックスにする方法も有り ・オピネルはコンベックスグラインドでセカンダリーベベルが付いています、これはブレイド厚さが薄く(1.6mm)切れ味が良いので より刃持ち向上と研ぎ易すくするため と考えられます。

③上記②+マイクロベベル ・ダブルベベルナイフの「有るべき姿」

④プライマリーベベル+マイクロベベル ・フラットグラインドのスカンジやチゼルグラインドでは有った方がハードに使える ・マイクロベベルが有るコンベックスグラインドは 無い物よりハードに使用できるが 元々コンベックスのエッジは強いので 付ける意味は無いように思います。 (ナイフ製造上付けた方が ブレイドジオメトリーのバラツキが少なくなるので 付けている可能性が有ります)

エッジ_アングル(edge_angle) 刃先角

両側角度:inclusive,on both sides

片側角度:exclusive,per side,DPS(degree per side)

エッジ_アングルを直接測定する方法としては ・エッジアングルゲージ ・プロトラクター が有ります、私が使っているエッジアングルゲージは5度単位、プロトラクターは木工工作用に購入した物で2度単位です、今度買う時はデジタル式にする予定です。 私がナイフを研ぐときは『プロトラクターで研ぎ角をセットし砥石上でナイフの研ぎ角を決めて10円玉を積みその位置と枚数をメモってから』研ぎます。 プロトラクターは安い物だと1K円以下で有りますので所有を超オススメします。

最も重要な事はブレイド_ジオメトリー(刃_諸元)及びエッジ_ジオメトリー(刃先_諸元)は別物であること、

以上 本件については いろいろな意見があります、あくまで私見で【備忘録】です。

今後 ナイフ研ぎについても書く予定です、長文を読んでいただき ありがとうございました。

以下 Amazon.co.jp 広告

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