0.1倍速ずつ加速する映画生活をやったら、孤独のグルメには技術革新が必要だと分かった【PR】
毎日0.1倍速ずつ加速していく映画生活をしたら、人はどうなるのか?という実験をしました。「精神世界が高速に侵されて友人に苛立つ」「孤独のグルメに技術革新が必要だと分かる」「セックスが銃撃戦になる」などの事件が起こったので、ぜひこの一部始終を見てください。
「警察庁の公安と検察庁の公安は法律上は同格のはずだが、実際の捜査能力に雲泥の差があるため、実際には検察庁の公安は警察庁の公安に頭が上がらない」という、組織間の微妙な関係みたいなものに踏み込んでおり、「やめろ!そんな複雑そうなテーマに踏み込むな!コナン映画はもっとバカみたいな展開であってくれ!!」と思った。何しろこっちはセリフを聞き取るのが困難な速度で観ているのだ。「らぁああああ~~~ん!!!!」みたいな聞き取りやすいセリフを中心に組み立てて欲しい。
結局、「聞き取れたセリフは6~7割、あらすじはなんとなく理解できたが面白くはない」という結果になった。
Tips:最近のコナンは右寄りの人が作っている13~15日目 ヴォルテールの言葉がこだまする2.6倍速
13日目、U-NEXTのトップページを見ていたら、「”早送り厳禁”映画」という特集があった。この企画をやっている僕にケンカを売ってるのかと思った。
「エスパーが集まるカフェ」が舞台なので、「私の能力は○○です」と自己紹介して能力を発動させる、みたいなシーンが多かった。能力を聞き取れなくてもその後の発動シーンを見れば「この人はテレポートか」とかが分かる。高速視聴に優しい映画だ。全然”早送り厳禁”じゃない。『戦場のメリークリスマス』の方がよほど”早送り厳禁”だったぞ。
ということで、観ている間「ここが面白いのだな!分かる!そのことが分かるぞ!」という理解が発生する一方、「でも僕は面白くないな。理解するのに精一杯だ」という感想が発生した。
あなたと離れなきゃいけないのは分かっているのに……でもやっぱり好きなの!!みたいな感じだ。
映画を観ながら揺れ動く乙女心を抱える人、人類史上僕だけなんじゃないか。
哲学者ヴォルテールが残した有名な言葉で「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」というのがある。
僕はこの映画を観ながら、ヴォルテールっぽい乙女心を持つことになってしまった。「私はこの映画が面白くない。だがこの映画の面白いポイントはとてもよく分かる」だ。
論敵の言論の自由をも手厚く保護しようとしたヴォルテールの気持ちになりたい方は、『曲がれ!スプーン』を2.6倍速で観るのがオススメだ。
邦画はもう楽しめないが、洋画はずっと面白いさて、ここまで見てきたように、2倍速を越えたあたりからはもう邦画はほとんど楽しめなくなった。2.0倍速で観た『ビリギャル』が最後の喜びだった。
一方、意外だったのは、洋画はずっと面白いことだ。「邦画よりマシ」程度ではなく、普通に面白いのだ。
唯一の問題点はアクションシーンが何も分からないことだ。
全然面白くなかった。
「水陸両用のサメ(!)がビーチで大暴れする」という中学生が考えたみたいな設定の映画。CGも脚本も演技も何もかもダメ。
「高速で観たら、つまらない映画も逆に面白くなる」的な現象を期待して観たのだが、つまらない映画は普通につまらなかった。
- ヴォルテールの気持ちになりたい人は、『曲がれ!スプーン!』を2.6倍速で観るのがオススメ
- 洋画は3倍速でも普通に面白い。
- つまらない映画は逆に面白くなるかと思いきや、妥当につまらない。
16日目 セックスが銃撃戦になる3.3倍速
- 映画『マイ・インターン』
- 映画『失楽園』
- バラエティ『内村さまぁ~ず #341』
何か新しいテーマはないかと考えたところ「エロスはどうなるんだろう…?」ということに思い至った。
文学的作品として高い評価を得ており、いかにも「楽しめなさそう」な映画だったが、意外にストレスは少なかった。テーマは深淵なのだが、あらすじのシンプルさで言えば『ビリギャル』と変わらないからだ。
「要するに二人が不倫して心中する話だろ」と思って観ていればそれでいい。セリフが聞き取れなくても話についていけるのはありがたいことだ。
ただ、最大の問題は肝心のセックス描写である。
射精に近づくにつれて、カメラアングルの切り替えがどんどん激しくなるのだ。
この「カメラの動きが速すぎてついていけない」感覚、どこかで味わったなと思ったら、『セブン』の銃撃戦だ。射精直前のカメラ切り替えの速さは銃撃戦とちょうど同じであることに気づいた。
「弾を撃つまでの攻防という意味では、これも銃撃戦ですからな!」じゃねえよやかましいわ。
「両方とも、命のやりとりですからね!」でもねえよやかましいわ。
『失楽園』を観た後は、オジサン風の下ネタを言いたくなる 余談-とうとう夢に高速の人が出てきたちなみにこの日の朝、とうとう夢に高速の人が出てきた。15日間も同じ生活を続けていると精神世界に影響を及ぼすらしい。
僕はカフェで作業をしているのだが、周囲にいる客は全員高速で喋り、高速で歩いていた。
ただし、僕自身の動きは通常速度だったし、高速で喋る知り合いも出てこなかった。つまり、僕はまだ一応「高速を傍観する者」で居続けることができていた。自分の精神が完全に高速に飲み込まれているワケではない。
高速動画生活を行う人は、精神を高速に持っていかれないように常に注意する必要がある。ニーチェも言うように、「我々が高速を覗くとき、高速もまたこちらを覗いているのだ」。
16日目の結論- 射精直前はほぼ銃撃戦
- 16日目で夢に出てくる人が高速になる。
- 我々が高速を覗くとき、高速もまたこちらを覗いているのだ
17日目-友人を招聘してみる
楽しんだとは言えないまでも、『失楽園』はそれほど大きなストレスではなかった。『戦場のメリークリスマス』の方がよほどストレスだった。セリフが聞き取れないことに慣れてきたのかもしれない。「セリフとかじゃなく、映画の雰囲気を楽しもう」という切り替えができたのかもしれない。
ここで一つ気になる問題がある。もしかして僕は”覚醒”しているのではないか?
そう思ったので、この日は友人と一緒に観ることにした。ビデオ通話を繋いで。
「良い映画だな~、これ」である。
- 自分の外見に全く自信を持てず卑屈に生きていた女性が、頭を打ったのをきっかけに”めちゃくちゃ美女に変貌した!”と錯覚する。
- ただの錯覚なので何も変わってないのだけれど、自信満々に振る舞うことで人生が劇的に好転する。恋人もできるし憧れの会社で素敵な仕事もできるようになる。
あまりに良かったので、「やっぱり”私、超キレイ!”っていつも思わなきゃだめだよね♡」などということを語り合ってしまった。アラサーのオジサン2名がである。
3.6倍速の洋画は誰でも字幕が読め、問題なく楽しめるということが分かった。別に僕が覚醒していたワケではなかった。
録画して初めて自覚できる苦行明らかに楽しくなさそうな顔をしている。先ほどまでの楽しそうな2人はどこへやら。
家が全焼してしまったヤツ(左)と、4人殺して逃亡中のヤツ(右)の顔だ。全然楽しそうじゃない。
しかし、録画を見返して愕然とした。僕(左)の方がよほど悲しい顔をしているじゃないか。終始、家が全焼した時にしかできない顔をしている。
どうやら、僕はツラすぎて「もう慣れたからこの速度の邦画を観るのはストレスではない」と自分に言い聞かせていただけであり、本当はすごくツラかったらしい。録画を観て初めて分かる現象だ。
翌朝、カメラの映像を確認してみると、自分が遺体を掘り出して運び去るところが映っていた。彼は無自覚に毎日遺体を掘り出していて、そのことを録画して初めて自覚したのだ。
僕もこれに近い。「慣れたから邦画を観るのもそんなに苦じゃないぜ!」と語っていたが、録画したらめちゃくちゃ苦だったことが発覚した。家が全焼するのと同じストレスレベルだったのだ。
家が全焼するほどのストレスに気づくためには、録画が有効なにしろ、理解度はほぼ一緒なのだから。
正直、「覚醒したかもしれない」とか言い出したのを後悔している。恥ずかしい。まるで自分が新しい能力を宿し、「進化した人間」になったかのように錯覚していたが、実態はまるで逆だった。
能力が覚醒したどころか、実際には家が全焼したレベルのストレスを意識できなくなり、精神世界が高速に侵され始めている哀れな人間だ。
切る直前に友人と行っていた世間話の間、ふと「こいつ喋るの遅いな…」と思ってしまい、より悲しみが増した。
高速に精神を侵されると、友人の動きが遅いと感じる18~20日目 タイトルの情報量が明暗を分ける
まず、邦画に関しては基本的に全てのセリフが聞き取れない。
なんと、この映画、2時間観て聞き取れた単語は3つだけだった
「編集長」「そんな」「あいつめ~!」のみ。
2時間で聞き取れるセリフ全てよりも、タイトルから得られる情報の方が多い。
そして、このヒントのお陰でなんとかあらすじだけは理解することができた。すごい。タイトルの情報量がしっかりしていれば、セリフは3単語しか聞き取れなくてもあらすじが分かるのだ。
これはまさに、タイトルの情報ありがたいボーイと喋るセリフすべてを聞き取れないガールといった感じだ。何が”まさに”なのかさっぱり分からないけど。
だが、タイトルであらすじを理解するのちょっとセコいなと思ったので、次の日は全く情報がない『渋谷』を観た。
そして、相変わらずセリフはほとんど聞き取れない。映画全体を通して2フレーズしか聞き取れなかった。「警察」と「もう一度」である。文脈が分からなければこの情報はゴミだ。何一つ映画の内容理解に寄与しない。
しかも、この映画はかなりの低予算映画らしく、ほとんどシーンが切り替わらない。主人公とヒロインの会話が主な映画である。しかしこの会話から僕はゴミ情報しか得られておらず、何も分からないまま映画が終わった。
結局、2時間観たのに、この映画について分かったことは「主人公とヒロインが惚れた腫れたをする話」ということだけだった。この世の物語の95%くらいが該当しそうな情報だ。
タイトルによる補完がないと、もはや映画のジャンルすらも分からない。4.8倍速とは、そういう世界である。
洋画も限界に達した4.8倍速まで来ると、字幕が一瞬表示されてすぐに消える。
さらに言えば、一瞬しか表示されない字幕を逃さず読むために視線を常に下の方に置いておかなければならず、あまり映像を観ることができない。
この映画は「1950年代フランス風の服装や家具がかわいい!」という映画らしいが、僕はほとんど服装や家具の印象はない。字幕を読むのに精一杯だったからだ。
18~20日目の結論- 『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべてを狂わせるガール』は、「タイトルの情報ありがたいボーイと喋るセリフすべてを聞き取れないガール」。
- 『渋谷』は、主人公とヒロインが惚れた腫れたをする話。
- 洋画は4.5倍速くらいならギリギリ楽しめる。
まとめ
未検証の問題-『孤独のグルメ』はどこまでイケるのか
僕の心の中のリトル井之頭五郎が「あせるなあせるな」と言い出した。
それが、ドラマ『孤独のグルメ』は何倍速まで耐えうるのか?という問題だ。
この記事は既に2万3000文字を突破しているので、皆さんはもうお忘れになっているかもしれないが、3日目(1.3倍速)の時点で、我々はこの企画における「黒船」に到達していた。
なぜこのドラマが黒船になりうるかについては、既に述べた。文化人類学者ベネディクト風に言うなら「日本人はオッサンの食事を重要行為とみなしていない」のであり、我々の脳はオッサンの食事に対して選択的注意を払わないように訓練されている。オッサンが飯を食う速度は何倍速だろうが構わないのである。
そしてこの仮説はかなり検証されている。実は、18日目(4.0倍速)で僕は再び『孤独のグルメ』を観ているのである。そして、あまりストレスなく観ることができている。
ということで、以下、追加実験のコーナーだ。
「おいおいまだ続くのかよ」と思った方はちょっと待って欲しい。一番そう思っているのは僕だ。
なにしろほとんど聞き取れない邦画を10日間以上観続けて、この記事も既に24時間以上書いている。疲労困憊である。もう終わりたい気持ちでいっぱいだ。
しかも驚くべきことは、彼の研究はまったく評価されていなかった上に、彼の本業はキリスト教の司祭であったことだ。
メンデルの研究の偉大さが理解され遺伝学という学問が生まれたのは彼の死後だ。つまり、彼は誰にも価値を認められていないのに、15年間にわたってエンドウ豆を交配させ続け、エンドウ豆の特徴をカウントし続けたのだ。これはまさに狂気の業績というほかない。
追加実験① – 4.5倍の「シーズン7 #3」 追加実験② – 5.0倍の「シーズン7 #4」 追加実験③ – 5.5倍速の「シーズン7 #5」5.5倍速なので、一品食い終わるのがめちゃくちゃ速い。杏仁豆腐を8秒くらいで平らげたのが面白かった。
追加実験③ – 6.0倍速の「シーズン7 #6」ここで、思わぬトラブルに見舞われた。
頻繁にストリーミング待ちが発生し、再生速度がキープできなくなったのだ。
確かに、考えてみると当たり前の話だが、6倍速は通常の6倍の通信量を必要とする。
言うなれば、同時に6本の映画を視聴しているのと同じだ。そりゃ限界が来るだろう。
ということで、ここで技術上の制約によって実験は打ち切りを余儀なくされてしまった。
ディープラーニングはなぜ日の目を見なかったかこの人工知能の画期的なところは、人間が”猫”について何も教えなくても、人工知能は大量の写真を学習することによって「猫」を発見できるようになる。つまり、人工知能が勝手に「猫」という概念を習得するのだ。それはちょうど、人間の赤ん坊が「猫」という概念を学習するのと同じように。
しかし、2012年まであまり大きな成果が上がらなかった。なぜかというと、コンピュータの能力とインターネットの普及度が足りなかったからだ。
そう、アイディアはあっても技術の問題で十分に実践はできず、結果は出ないまま放置される。科学の発展とはその繰り返しなのである。
まとめ
- 人でなしがドキュメンタリーを観るときは1.7倍速がオススメ。
- 素直になれない人は『戦場のメリークリスマス』を1.9倍速で観ろ!
- 最近のコナンは右寄りの人が作っている
- ヴォルテールの気持ちになりたい人は、『曲がれ!スプーン!』を2.6倍速で観るのがオススメ
- 射精直前はほぼ銃撃戦と同じ
- 我々が高速を覗くとき、高速もまたこちらを覗いている
- タイトルの情報ありがたいボーイと喋るセリフすべてを聞き取れないガール
- 『孤独のグルメ』の限界を知るには、5G時代の到来を待たなければならない。
最後に-ナルハヤで生きていきたいあなたのために
だが、ここまで散々見てきたように、映画をナルハヤで観ようと頑張ることはあまりオススメしない。そんなことをすると、『戦場のメリークリスマス』でセルフ・コントロールを失ったり、セックスが銃撃戦になったり、精神世界が高速に侵されてしまい友人の遅さにイライラしたりする。
また、ルールは至ってシンプルで、誰でも1分の説明を聞けばゲームを始められる。ゲームを開始するまでの工程すらもナルハヤであるという徹底ぶり、まさにナルハヤ欲を抱えたあなたにピッタリのゲームと言えよう。
ぜひ、購入を検討されたい。というか、こんな謎の企画に広告費を出してくれた広告主のゲームデザイナーに敬意を払って、ぜひ皆買って欲しい。酔狂な人が報われる世の中であるべきだ。