ラシーヌの雅歌
ラシーヌの雅歌

ラシーヌの雅歌

ガブリエル・フォーレの初期の傑作、合唱曲「ラシーヌの雅歌」は、17世紀の劇作家ラシーヌによる宗教詩に触発された作品。音楽学校の卒業制作として作曲され、一等賞を受賞。変ニ長調の美しい調べと流麗なアルペッジョが特徴で、後のフォーレの円熟した合唱書法を予感させる名曲として知られる。

『ラシーヌの雅歌』作品11は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてフランス楽壇で活躍した作曲家、ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré, 1845-1924)によって1865年に作曲された合唱作品です。正式なフランス語原題は『Cantique de Jean Racine』といい、「ジャン・ラシーヌの讃歌」あるいは「ジャン・ラシーヌの雅歌」といった意味合いを持ちます。この題名に関しては、『ラシーヌ讃歌』や『ラシーヌ雅歌』など、いくつかの日本語訳が存在し、演奏会プログラムや楽譜などによって表記が異なる場合があります。

作曲の背景と位置づけ

『ラシーヌの雅歌』は、17世紀フランス古典主義演劇の巨匠、ジャン・ラシーヌ(Jean Racine, 1639-1699)による宗教的な詩をテキストとしています。この詩は、ラシーヌが自身の宗教的な著作である『賛歌と祈り』に含めたもので、古代ラテン語の賛歌「Consors paterni luminis」のフランス語訳に基づいています。神への賛美と敬虔な祈りが込められたラシーヌの文学的な世界が、フォーレの音楽によって見事に表現されています。

フォーレがこの曲を作曲したのは、彼がパリのニードルメイエール音楽学校(École de musique classique et religieuse)に在籍していた時期です。この学校は、教会音楽と古典音楽教育に重点を置いており、フォーレはここで作曲を学びました。特に教会音楽の伝統に深く触れた経験は、後の彼の作品にも大きな影響を与えています。