カバード・コール
カバード・コール

カバード・コール

株が上がっても下がっても利益を得られる「カバード・コール」とは? オプションと株を組み合わせた取引手法を徹底解説。

最初に1,000株分のプット・オプションを売ったんだよね。 そうなると、1株あたり55ドルで、1,000株買う義務が生じるから、 (55ドル × 1,000株)で55,000ドルの損失ということ? ひぇ~!

そのとおり。 確かにこのトレーダーは、1株あたり55ドルで1,000株を買わなくてはいけなくなる。 でも、これは必ずしも損失といえるだろうか?

2.権利行使価格で株を買う もし、このプット・オプションを売ったトレーダーが、最初からこの企業の株を買うつもりだったとしたらどうだろう?

さらにこのトレーダーは、最初にプット・オプションを売ったことによって、1株あたり2.75ドルのプレミアムを受け取っているのを覚えてるよね。 つまり、55ドルで権利行使をされた場合でも、実質的には 55ドル - 2.75ドルとなり、1株あたり52.25ドルで買えたことになる。

おぉー! 普通に株を買うよりもお得だ! 3.さらにコール・オプションを売って儲ける まだこれで終わりじゃない。

まだある。 トレーダーは、Research In Motion (RIM)の株を1,000株購入した後、さらにこの株のコール・オプションを売って利益を得ることができる。

えっ、話が見えないんですが。

まず、株価が下がるか、横ばいのままだったとすると、売ったコール・オプションの価値は無くなるから、コール・オプションを売ったときの受け取りプレミアムがそのまま利益となる。 その後、また同じようにアウト・オブ・ザ・マネーのコール・オプションを10枚売ることができる。 これを権利行使されるまで繰り返し行えばいい。

しかし、トレーダーは実質的にこの株を1株あたり52.25ドルで買ったのだから、55ドルで売れば売却益を得られるね。 この時の売却益は、(55ドル - 52.25ドル) × 1,000株で、2,750ドルだ。 さらに、コール・オプションを売ったことによるプレミアムも受け取れるから、大満足の結果じゃないかな。 (下図)

なるほど! 自分が所有している株に対してコール・オプションを売れば、たとえ権利行使されたとしてもリスクが無い のか!

そういうことだよ。 このように、原資産を所有しながら取引するオプションのことを、カバード・オプション(Covered Option)と呼ぶよ。 オプションの種類に応じて、カバード・コールとかカバード・プットという使い方がされる。

これに対して、原資産を持たずにオプションだけを売る場合、そのオプションのことを ネイキッド・オプション(Naked Option) と呼ぶ。 ネイキッド・オプションは、日本語では「裸のオプション」と言ったりもする。 直訳だね。