電子伝達系とはなに?図を多用してわかりやすく解説してみた
電子伝達系とはなに?図を多用してわかりやすく解説してみた

電子伝達系とはなに?図を多用してわかりやすく解説してみた

電子伝達系とは簡単にいえば、ATPをつくるためのシステムで、解糖系やクエン酸回路でつくられた「NADH+H+やFADH2」を材料に、効率的にATPをつくります。 わかりやすく電子伝達系を解説します。

電子伝達系は解糖系やクエン酸回路でつくられたNADH+H + とFADH2をつかってATPを合成

解糖系やクエン酸回路ではなく、ATPのほとんどは電子伝達系でつくられています。

しかし、だからといって電子伝達系だけあればいいのかというとそんなことはなく、電子伝達系で大量のATPをつくるためには、解糖系やクエン酸回路でNADH+H + とFADH2をつくる必要があります。

電子伝達系に運ばれる「NADH+H + とFADH2」ってなに?

簡単に説明すると、NADH+H + やFADH2は電子とH + を運ぶ化合物です。

NADH+H + やFADH2は電子とH + を電子伝達系に供給して、ATPを合成しています。

電子を運ぶ前の状態(酸化型) 電子を運んでいる状態(還元型) NAD + NADH+H + FAD FADH2

電子伝達系の流れをわかりやすく解説

電子伝達系とは、解糖系やクエン酸回路でつくられたNADH+H + やFADH2から電子とH + を受け取って、効率的にATPをつくるためのシステムのことです。

電子伝達系の反応式まとめ
  • 10NADH+10H + +2FADH2+6O2 → 10NAD + +2FAD+12H2O+28ATP

この反応式をみてわかるとおり、NADH+H + やFADH2から、28個もの大量のATPがつくられています。

つまり、グルコース1個は、最終的に電子伝達系で28個のATPに変わります。

電子伝達系の反応の流れの全体像
  • 段階① 解糖系やクエン酸回路でつくられたNADH+H + とFADH2がミトコンドリアの内膜に運ばれてぶつかる。
  • 段階② 内膜にぶつかった衝撃で、e – (電子)とH + (水素イオン)が飛び出す。
  • 段階③飛び出したe – (電子)は内膜の中を流れていく。
  • 段階④H + (水素イオン)が、内膜を流れる電子のエネルギーにより膜間腔に移動する。
  • 段階⑤膜関空に大量のH + (水素イオン)がたまっていく。
  • 段階⑥膜関空にたまった大量のH + (水素イオン)がマトリックスに移動するときのエネルギーでATPがつくられる。

電子伝達系の実際の反応の流れは上記のとおりです。

段階①:NADH+H + やFADH2がミトコンドリアの内膜に運ばれてぶつかる

NADH+H + やFADH2はミトコンドリアの内膜に運ばれ、ミトコンドリアの内膜にあるたんぱく質とぶつかります。

段階②:内膜にぶつかった衝撃で、e – (電子) とH + (水素イオン) が飛び出す

ミトコンドリアの内膜にぶつかったNADH+H + やFADH2からe – (電子) とH + (水素イオン) が切り離されます。

切り離されたe – (電子) は、内膜の中を流れていきます。

一方のH + (水素イオン) は、内膜の内側に移動します。

段階③:飛び出したe – (電子) は内膜の中を流れていく

NADH+H + やFADH2から飛び出たe – (電子) は、ミトコンドリアの内膜の中を流れていきます。

電子伝達系に入り込んだe – (電子) は、その名のとおり、内膜の中にあるいくつかの複合体やタンパク質の間を次々に伝達されていきます。

e – (電子) が流れることで、内膜にある物質と酸化還元反応を次々に起こしていきます。

この酸化還元反応によって、エネルギーが発生します。

・酸化:電子を失うこと ・還元:電子を得ること 段階④:H + (水素イオン) は膜間腔に移動する

内膜を流れるe – (電子) によって引き起こされた酸化還元反応のエネルギーを利用して、H + (水素イオン) が膜間腔に移動します。

一部のH + (水素イオン) は、ミトコンドリアの内膜を流れる電子と反応し水素 (H2) となり、さらに酸素 (O) と反応して水 (H2O) ができます。

ここで酸素 (O) が必要となるので、私たちは呼吸をしています。 段階⑤:膜間腔に大量のH + (水素イオン) がたまっていく

「段階①~④」の反応が繰り返され、膜間腔に大量のH + (水素イオン) がたまっていきます。

段階⑥:膜間腔にたまったH + (水素イオン) がマトリクスに移動するエネルギーからATPがつくられる【酸化的リン酸化】

膜間腔にたまったH + (水素イオン) は反発し、内側に戻ろうとします。

マトリックスと膜間腔のあいだで、H + (水素イオン) による濃度勾配がつくられます。この濃度勾配によって、H + (水素イオン) が濃度の高いほうから低い方へと自然に流れていこうとします。

この勢いはすさまじく、ものすごいパワーでH + (水素イオン) が内膜をとおって、マトリックスにいこうとします。このときのエネルギーによってATPがつくられます。

内膜にはATP合成酵素があり、H + (水素イオン) がこの酵素の中を通って流れるときにATPが合成されます。 ちなみに、H + (水素イオン) の濃度勾配を使ってATP合成酵素が大量のATPを産生するシステムを酸化的リン酸化といいます。

まとめ:電子伝達系とは

電子伝達系の反応式まとめ
  • 10NADH+10H + +2FADH2+6O2 → 10NAD + +2FAD+12H2O+28ATP

電子伝達系とは簡単にいえば、ATP (アデノシン三リン酸) をつくるためのシステムで、解糖系やクエン酸回路でつくられた「NADH+H + やFADH2」を材料に、効率的にATPをつくります。

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