シューベルト「死と乙女」【歌詞と解説、名盤】
シューベルト「死と乙女」【歌詞と解説、名盤】

シューベルト「死と乙女」【歌詞と解説、名盤】

「死と乙女」はオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルトが1817年に作曲した歌曲です。 そして、この作品のモチーフを第2楽章の主題として1824年に作曲されたのが、弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」です。 今回の記事ではこの2つの作品の作曲の背景と解説、歌詞と名盤などを動画を交えながらご紹介したいと思います。

Gib deine Hand, du schön und zart Gebild!(手を差し出しなさい、美しく優しい娘よ!)Bin Freund und komme nicht zu strafen.(私はお前の友で、罰するために来たのではない)Sei gutes Muts! Ich bin nicht wild,(勇気をお持ちなさい!私は野蛮ではない)sollst sanft in meinen Armen schlafen!(私の腕の中で、安らかにお眠りなさい!)

「死」を描くコラール(賛美歌)風の旋律がピアノで奏でられた後、「乙女」が迫ってくる「死」に怯えるような切迫感と緊張感のある歌を歌います。

その後、冒頭の旋律と共に「死」「お前を罰するために来たのではない」と穏やかに諭すように歌います。

ここで描かれる「死」は畏怖に満ちた恐ろしいものではなく、安息の眠りに導く穏やかなものであるように私には感じられますが、死神の語る恐るべき誘惑の言葉であると解釈する向きもあるようです。

そして、この冒頭のピアノの前奏部分、即ち「死」を暗示する主題が次にご紹介する弦楽四重奏曲第14番の第2楽章の主題として用いられています。(譜例①)

譜例①:歌曲「死と乙女」冒頭部分

シューベルト|歌曲「死と乙女」youtube動画

シューベルト「死と乙女」作品7-3 D531

メゾソプラノ:Margarita Greiner

シューベルト|弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」解説

第1楽章:Allegro 譜例②:第1楽章冒頭部分 第2楽章:Andante con moto

第2楽章は先ほどご紹介した歌曲「死と乙女」の主題を基に5つの変奏が展開されていきます。

この主題は歌曲「死と乙女」冒頭のピアノによる前奏部分であり、忍び寄る死の影におののく乙女に諭すように語り掛ける死神の旋律でもあります。(譜例③)

譜例③:第2楽章冒頭部分 第3楽章:Scherzo: Allegro molto 譜例④:第3楽章冒頭部分 第4楽章:Presto 譜例⑤:第4楽章冒頭部分

途中からはさらに力強さが加わる中を切迫するような八分音符の旋律が縫っていきます。「タッタ、タッタ」と執拗に繰り返されるリズムの中に、「タタタ、タタタ」と言うリズムが時には力強く、時には流麗な調べとして織り込まれ、音楽にアクセントを付けているように感じます。

シューベルト|弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」youtube動画

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810「死と乙女」第1楽章(00:22)第2楽章(11:50)第3楽章(26:30)第4楽章(30:27)

Omega Ensemble

シューベルト|弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」弦楽合奏版動画

オーストリアの作曲家、グスタフ・マーラー(1860-1911)はこの作品を弦楽合奏用に編曲しています。

「死」と言うものを強く意識し、作品の中にも色濃く反映させたマーラーは、この曲に強いインスピレーションを感じたのかも知れませんね。

シューベルト(マーラー編曲):弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」弦楽合奏版第1楽章(00:13)第2楽章(11:30)第3楽章(25:15)第4楽章(29:25)

Wald Ensemble

シューベルト|弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」無料楽譜

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シューベルト|弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」名盤

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シューベルト弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D.810『死と乙女』弦楽四重奏曲第13番イ短調 D.804『ロザムンデ』

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まとめ

シューベルト作曲の歌曲「死と乙女」、そして「弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》」いかがでしたでしょうか?

「死と乙女」と言うタイトルからは、畏怖と絶望にとらわれた陰鬱で悲しみに包まれたイメージがありますが、実際に聴かれて抱かれた印象はいかがでしたか?

歌曲の方も作品の解釈は様々あるでしょうが、個人的には「死を畏怖する乙女と、甘い言葉で死へ導く死神」と言うよりは「死を恐れる乙女を安息の眠りに導くように諭す神」と言ったイメージの曲想の様に感じます。

最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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