【湾曲し火傷し爆心地のマラソン】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞・作者など徹底解説!!
【湾曲し火傷し爆心地のマラソン】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞・作者など徹底解説!!

【湾曲し火傷し爆心地のマラソン】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞・作者など徹底解説!!

俳句は日本の伝統的な芸能の一つで、今や世界中で詠まれ愛されています。 今回は、数ある名句の中から金子兜太のという句を紹介していきます。 湾曲し火傷し爆心地のマラソン (金子兜太) 季語がない、

湾曲し火傷し爆心地のマラソン (金子兜太)

季語がない、破調だ、など色々言われたらしい。けど季語というなら、爆心地がすでに紛れも無い真夏の季語。 句跨りを視野に入れれば明らかな正調俳句。

兜太の俳句はすでに古典なんだろう。「短詩型文学論」をまた読み直す時期か。素晴らしい一句だ。 pic.twitter.com/0FGAsMtSTg

— テンプルトン1989@katzenellenbogen2020 (@verbindung2010) September 25, 2019

本記事では、 「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」の季語や意味・表現技法・作者など について徹底解説していきます。

  • 1 「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」の作者や季語・意味・詠まれた背景
    • 1.1 季語
    • 1.2 意味
    • 1.3 この句が詠まれた背景
    • 2.1 破調
    • 2.2 比喩表現
    • 4.1 金子兜太は社会性俳句の旗手
    • 4.2 「造型論」を体現した代表的な句
    • 4.3 伝統俳句との関係性

    「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」の作者や季語・意味・詠まれた背景

    湾曲し 火傷し 爆心地のマラソン

    (読み方:わんきょくし かしょうし ばくしんちのまらそん)

    この句の作者は 「金子兜太(かねこ とうた)」 です。

    兜太氏は、昭和から平成にかけて活躍した 前衛俳句の俳人 です。

    【金子兜太の有名俳句 20選】埼玉県出身の俳人!!俳句の特徴や人物像・代表作など徹底解説!

    俳句は五七五の韻律を踏む十七音の短文の詩で、季節を表す季語を詠むことによってさまざまな風景を表します。 江戸時代から始まった俳句は明治大正期の近代俳句を経て、戦後も現代俳句として隆盛しました。 今回は、昭和から平成にかけて活躍したを20句紹介します。 本日の赤旗に、日本を代表する俳人の金子兜.

    季語

    この句には季語がなく、 無季俳句 として扱われています。

    前衛俳句は定型俳句のように季語に頼るのではなく、 俳句が詩として成立すること に重点を置いています。

    意味

    「長崎の爆心地でランナーが走る姿は、原爆のために体が湾曲したり、やけどを負って苦しむ人の姿に重なった。

    この句が詠まれた背景

    この句は、 兜太が1958年に長崎県で詠んだ句 で、句集「金子兜太句集」に収録されています。

    兜太は当時日本銀行に勤めており、その年の 2 月に長崎へ転勤になりました。そして、原爆で被災した浦上天主堂に近い場所を住まいとしていました。

    つまり、 爆心地近くで見つけた被爆跡を見たことで、その印象から句を作ることができたということ です。

    「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」の表現技法

    破調

    定型俳句の五・七・五を念頭に置きながら、 字余りや字足らずで表現された句 を破調と呼びます。

    今回の句を文字数で切ると、以下のようにと 五・九・五の音律 になっています。

    「わんきょくし/かしょうしばくしんち/のまらそん」

    比喩表現

    比喩とは、 物事の説明や描写に類似した他の物事を借りて表現すること をいいます。印象を強めたり、感動を高めたりする効果があり、短歌では良く使われる技法です。

    マラソンランナーが走りつかれて息切れしたり、体をくねらせて必死に走っている様子を 被爆の逃げ惑う様子 に重ねています。

    「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」の鑑賞文

    【湾曲し火傷し爆心地のマラソン】は、 前衛的な表現で句作された、原爆の強烈なイメージを現代に手繰り寄せる句 です。

    今回の物事を重ね合わせる手法は、 読み手が現在と過去を重ねる効果 があります。

    「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」の補足情報

    金子兜太は社会性俳句の旗手

    金子兜太が俳句の世界で頭角を現したのは、 第二次世界大戦後の混乱と価値観の転換期 でした。

    その中で生まれたのが、社会的なテーマや現実を詠む 「社会性俳句」の運動 でした。

    1954年に「風」が行ったアンケートで作者は、「社会性とは態度の問題」「自分を社会的関連のなかで考え、解決しようとする『社会的な姿勢』が意識的にとられている態度」と主張し、 社会性俳句の理論的な支柱となりました。

    この社会性俳句は、旧来の花鳥風月を主とする俳句から脱却し、 人間の内面や社会の矛盾を鋭く見つめる前衛俳句 の大きな潮流となっていきました。

    「造型論」を体現した代表的な句

    金子兜太の前衛性は、その独自の作句理論である 「造型論」 にも表れています。

    これは、客観的な写生を重んじる高浜虚子の「花鳥諷詠」とは一線を画し、 作者の主観的な視点や内的ヴィジョン を重視して句を構築しようとする試みでした。

    「湾曲し火傷し」という生々しい描写は、従来の俳句の美意識を覆す衝撃的なものであり、 社会の現実に深く切り込む前衛的な姿勢 を示しています。

    伝統俳句との関係性

    前衛俳句の旗手と目される一方で、 作者は伝統を完全に否定したわけではありませんでした。

    作者の活動は、結果的に伝統俳句をも活気づかせ、 俳句界全体の活性化に繋がった と評価されています。

    作者「金子兜太」の生涯を簡単にご紹介!

    金子兜太(かねこ とうた)。 1919 年生まれ 2018 年没。埼玉県出身の俳人です。

    金子家の長男として生まれ、 2 歳から 4 歳までは父の仕事の関係で上海に住み、以降は埼玉県で育ちました。

    餓死者も出る厳しい環境でしたが奇跡的に生きのび、 1947 年に日本銀行へ復職します。復職後は日本国内を転勤しながら句作を続け、日本銀行は 55 歳の定年まで働きました。

    戦後を代表する俳人で、戦争などの社会問題を題材に伝統にとらわれない自由な俳句の世界を築いた金子兜太さんが亡くなりました。98歳でした。平成15年に日本芸術院賞。平成20年に文化功労者。平成27年には安保関連法反対集会で「アベ政治を許さない」という文字を揮毫しました(NHKニュースより)合掌 pic.twitter.com/AvtCcaIpmz

    — 盛田隆二 (@product1954) February 21, 2018

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    • 1 「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」の作者や季語・意味・詠まれた背景
      • 1.1 季語
      • 1.2 意味
      • 1.3 この句が詠まれた背景
      • 2.1 破調
      • 2.2 比喩表現
      • 4.1 金子兜太は社会性俳句の旗手
      • 4.2 「造型論」を体現した代表的な句
      • 4.3 伝統俳句との関係性

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