変圧器の原理と構造
変圧器の原理と構造

変圧器の原理と構造

第三種電気主任技術者(電験三種)試験に独学で合格できるよう、分野ごとに「考え方」や「解き方」の解説と過去問題をまとめています。このページで、電験三種の機械科目に出題される「変圧器の原理と構造」について、初心者の方でも解りやすく、基礎から勉強

次に、図8において、スイッチSを閉じると、起電力 $\dot_2$[V]によって、二次回路には電流 $\dot_2$[A]が流れます。また、電流 $\dot_2$[A]によって起磁力 $N_2\dot_2$[A]が生じ、磁束 $\dot$[Wb]は減少しようとしますが、$\dot$ の最大値 $ϕ_m$[Wb]が一定値を保つように一次側には電源から一次電流 $\dot_1$[A]が流入して、$N_2\dot_2$[A]の起磁力を打ち消します。

すなわち、$\dot_1$[A]と $\dot_2$[A]との間には、$N_1\dot_1=N_2\dot_2$ の関係があります。ここで、$\dot_1$[V]を一次誘導起電力、$\dot_2$[V]を二次誘導起電力、$\dot_1$[A]を一次電流、$\dot_2$[A]を二次電流といいます。

負荷時の電圧・電流・磁束

図8においてスイッチSを閉じた場合の電圧・電流の関係をベクトル図で示すと、図9(b)のようになります。すなわち、一次側に加える電圧 $\dot_1$[V]より $\displaystyle\frac$[rad]位相の遅れた磁束 $\dot$[Wb]が生じ、その磁束によって、それより $\displaystyle\frac$[rad]位相の進んだ起電力 $\dot_1$[V],$\dot_2$[V]が、一次巻線および二次巻線に誘導されます。

$E1,E2$:一次電圧,二次電圧$N1,N2$:コイル1 の巻数,コイル2 の巻数$I1,I2$:一次電流,二次電流

ここで、巻線比 $\displaystyle\frac=a$ を変圧器の巻線比といいます。

実際の変圧器の電圧・電流・磁束 励磁電流

実際の変圧器では、一次巻線に交流電圧を加えると、鉄心の磁気飽和現象やヒステリシス現象が生じるので、励磁電流は図11(a)の $’$[A]のような非正弦波交流となります。この $’$[A]と周波数および実効値が等しい正弦波交流(等価正弦波) $$[A]で表して取り扱います。$$ の位相は、鉄損のために、図(b)のように磁束 $\dot$ より $α_o$ だけ進むことになります。この $α_o$ を鉄損角といいます。

巻線の抵抗と漏れリアクタンス

電験三種-機械の過去問解説:変圧器の原理と構造

2006年(平成18年)問6 過去問解説

定格容量 20[kVA]、定格一次電圧 6,600[V]、定格二次電圧 220[V]の単相変圧器がある。この変圧器の一次側に定格電圧の電源を接続し、二次側に力率が 0.8、インピーダンスが 2.5[Ω]である負荷を接続して運転しているときの一次巻線に流れる電流を $I_1$[A]とする。定格運転時の一次巻線に流れる電流を $I_$[A]とするとき、$\displaystyle\frac×100$[%]の値として、最も近いのは次のうちどれか。ただし、一次・二次巻線の銅損、鉄心の鉄損、励磁電流及びインピーダンス降下は無視できるものとする。

(1) 89 (2) 91 (3) 93 (4) 95 (5) 97

2006年(平成18年)問6 過去問解説

負荷 $Z_L=2.5$[Ω]を接続したときに、2次側に流れる電流を $I_2$とすると、

したがって、負荷 $Z_L$[Ω]を接続したときの、1次側に流れる電流を $I_1$は、

定格時の一次電流 $I_$[A]は、定格容量を $S_n$[kVA]とすると、

2008年(平成20年)問7

一次巻線抵抗、二次巻線抵抗、漏れリアクタンスや鉄損を無視した磁気飽和のない理想的な単相変圧器を考える。この変圧器の鉄心中の磁束の最大値を $ϕ_m$[Wb]、一次巻線の巻数を $N_1$、この変圧器に印加される正弦波電圧の( ア )を $V_1$[V]、周波数を $f$[Hz]とすると、$ϕ_m$ は次式から求められる。

この磁束により変圧器の二次端子に二次誘導起電力 $V_2$[V]が生じる。一次巻線の巻数 $N_1$、二次巻線の巻数 $N_2$ がそれぞれ 2550,85の場合、この変圧器の一次側に 6300[V]の電圧を印加すると、二次側に誘起される電圧は( ウ )[V]となる。変圧器二次端子に 7[Ω]の抵抗負荷を接続した場合の一次電流 $I_1$、二次側電流 $I_2$ は、励磁電流を無視できるものとすると、それぞれ $I_1=$( エ )[A],$I_2=$( オ )[A]である。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)(1)実効値$\displaystyle\frac>$210301.0(2)最大値$\displaystyle\frac>$1051.00.25(3)実効値$\displaystyle\frac>$2101.030(4)最大値$\displaystyle\frac$1051530(5)実効値$\displaystyle\frac>$1051.00.25

(注) $\displaystyle\frac>≒\displaystyle\frac$,$\displaystyle\frac>≒4.44$,$\displaystyle\frac≒0.159$ として計算する場合が多い。

2008年(平成20年)問7 過去問解説

変圧器に印加される正弦波電圧の( 実効値 )を $V_1$[V]とすると、変圧器鉄心中の磁束の最大値 $ϕ_m$[Wb]は、

変圧器二次端子に 7[Ω]の抵抗負荷を接続した場合の一次電流 $I_1$、二次側電流 $I_2$ は、

電験三種の機械の勉強法

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