「津波を引き起こす地震の規模はどのようなものでしょうか? 首都直下地震では発生しないのですか?」…京大名誉教授の「気になる答え」とは?
東日本大震災によって日本列島は地震や火山噴火が頻発する「大地変動の時代」に入った。その中で、地震や津波、噴火で死なずに生き延びるためには「地学」の知識が必要になる。京都大学名誉教授の著者が授業スタイルの語り口で、地学のエッセンスと生き延びるための知識を明快に伝える『大人のための地学の教室』が発刊された。西成活裕氏(東京大学教授)「迫りくる巨大地震から身を守るには? これは万人の必読の書、まさに知識は力なり。地学の知的興奮も同時に味わえる最高の一冊」と絶賛されたその内容の一部を紹介します。
東日本大震災によって日本列島は地震や火山噴火が頻発する「大地変動の時代」に入った。その中で、地震や津波、噴火で死なずに生き延びるためには「地学」の知識が必要になる。京都大学名誉教授の著者が授業スタイルの語り口で、地学のエッセンスと生き延びるための知識を明快に伝える『 大人のための地学の教室 』が発刊された。西成活裕氏(東京大学教授)「 迫りくる巨大地震から身を守るには? これは万人の必読の書、まさに知識は力なり。地学の知的興奮も同時に味わえる最高の一冊 」と絶賛されたその内容の一部を紹介します。
画像はイメージです Photo: Adobe Stock津波が起こる地震とは
首都直下地震では津波は発生しません。規模も含めていうと、いま警戒している津波は海溝で起きるマグニチュード9クラスの地震で起こるものです。
首都直下地震は震源地が陸だから津波は起きないんです。陸で起きた地震に津波は関係なく、ほとんどの津波は海溝を震源とする地震で起きます。
トンガの海底火山の噴火の影響は?
僕たちの時間の尺度で、今年とか10年前とか20世紀は大変だというけれど、実は2億年ぐらいのスパンで考えると噴火や地震が起きることもあれば、静かなこともある。つまりはそれが普通ということです。
南海トラフ巨大地震と富士山噴火の関係
ただストレスはかかっているから、たとえば南海トラフ巨大地震でマグマが揺すられて富士山が噴火するということは起きます。
そのような一つのストーリーとして、そもそも東日本大震災によって日本列島の地盤が不安定になり、地震や噴火の頻発を招いているということがあります。
(本原稿は、鎌田浩毅著『大人のための地学の教室』を抜粋、編集したものです)
鎌田浩毅(かまた・ひろき) 「科学の知」を活きた知識に――著者より本書でも解説したように、地震と噴火が頻発するのは「3.11」によって地盤に加えられた歪みを徐々に解消しようとしているからです。日本列島は千年ぶりの「大地変動の時代」がはじまったため、今後の数十年は地震と噴火は止むことはない、というのが私たち専門家の見解なのです。
これに加えて、近い将来に6800万人を巻き込む激甚災害が控えています。首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山など活火山の噴火が、いずれもスタンバイ状態にあります。こうした喫緊の事実を高校で学ぶ機会がなくなったことは、国民的損失以外のなにものでもないのです。
そこで私は「いまからでも決して遅くない」と説きます。それには先達がいたのです。約150年前の明治初期、福沢諭吉は『学問のすゝめ』を刊行しました(初版1872年)。欧米の近代的思想を身につけ、自覚ある市民として意識改革することを力説した名著ですが、文章は平易にして情熱に満ちており全国民の10人に1人が買ったといいます。私の気持ちも福沢とまったく同一です。
すなわち、いまから約十年後に迫る南海トラフ巨大地震=「西日本大震災」から、「地学」の力で1人でも多くの命を救いたいからです。
もう一つ、地学は「おもしろくて、ためになる」科目でもあります。このフレーズは戦前に雑誌『キング』『少年倶楽部』を出版した講談社がつくったものです。私もその方針で本書を執筆し、文系読者が苦手な数式や化学式をほとんど用いませんでした。
通例、大学の理系科目では数式が並ぶ横書きの教科書を使いますが、それでは初学者の興味をつなぐことは難しいからです。結果は上々で、閑古鳥が鳴いていた講義は立ち見が出るまでになりました。そして自称「科学の伝道師」が誕生。京大で教えるようになってから24年間、「ヘンな教授」で押し通してきたのです。
とはいえ、私はなにも使命感に燃えているだけの地学者ではありません。そもそも私が地学に惹かれたのは、25歳の駆け出し研究者のころ、地球の美しさに心底、感動したからです。広々とした九州の火山で、風を感じ、土の匂いを嗅ぎ、大地を直接肌で受けとめながら山をひたすら歩きまわっていました。五感のすべてを使いながら地球の成り立ちに考えをめぐらすことには、なにものにも代えがたい心地よさがあったのです。「地学を一生続けていきたい!」と思った瞬間でもあります。
そうした地学という学問そのものの魅力も、本書でみなさんに伝えたいのです。
■新刊書籍のご案内
『大人のための地学の教室』 鎌田浩毅 著☆「いま読むべき本」として売れてます! 累計4万部突破!☆
西成活裕氏(東京大学教授)絶賛! 「迫りくる巨大地震から身を守るには? これは万人の必読の書、まさに知識は力なり。地学の知的興奮も同時に味わえる最高の1冊」
高野秀行氏(ノンフィクション作家)推薦! 「日本はいつどこで巨大地震と火山噴火が起きても全然おかしくないという、あまりに恐ろしい科学的事実が面白くわかってしまう。特筆すべきは図版。わかりやすくて、詳細な図版がこれでもかと入っていて、それだけでも購入の価値あり。日本に住む人は必読だろう」