サブスタンス
サブスタンスの作品情報。上映スケジュール、キャスト、あらすじ、映画レビュー、予告動画。バイオレンス映画「REVENGE リベンジ」などを手がけてきたフランスの女性監督コラリー・ファルジャが、「ゴースト...
デミ・ムーアのまさに体を張った狂気の演技に圧倒された。 名優はもちろん綺麗に撮られることより表現を優先するものではあるが、顔や背中の瑞々しさを失った肌を強調するカメラワークで撮られつつ若い女優と対比させる演出で演じるのは、女性としてはなかなか勇気のいることだ。 もっとも、そういった勇気を必要とする価値観や社会の風潮こそ本作の批判の対象なのだろう。だから私の「女優なのに体を張っててすごい」という稚拙な感想自体、コラリー・ファルジャ監督から見れば唾棄すべき古臭い価値観に毒されたものなのかもしれない。
とはいえ、マーガレット・クアリーが眩しすぎる。 かりそめの空疎な分身だが、若さを失った故に表舞台から退場させられたエリザベスにとってはあまりに蠱惑的な存在。クアリーが美しいからこそ、エリザベスがサブスタンスのルールを破り狂っていく気持ちもよくわかる。 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のプッシーキャット、「哀れなるものたち」のフェリシティなど、短い出演時間でも印象深い少女の名残を感じる愛らしい顔立ちと完璧過ぎるスタイルが、あやかしのクスリで生まれたスーにぴったりだ。
冒頭のウォークオブフェイムを使ったエリザベスの状況説明は、簡潔ながら十分な情報があって上手いなと思わせる。その後も終始テンポがよく、展開から眼が離せない。 彼女の弱さゆえに事態が混沌としてゆく流れは想像通りだが、落とし所が予想出来なかった。まさかあんな状態になってあそこまでブシャーと撒き散らすとは…… ビジュアルのグロさと若さへの執着に負けた代償の恐ろしさに震え上がる一方で、笑える瞬間も結構多かった。 ハーヴェイの誇張された愚かしさもそうだし、騒音のクレームを入れに来た隣人の豹変具合、プロの職人並のDIY能力でバスルームにドアを設置するスー。声をかけてきた昔なじみ(多分本作唯一の善良な人間)に会いにいくのにド派手なおめかしをするエリザベス(この直後のデミの演技がすごい)、完全に老婆形態になったのにスーとやりあう時はめっちゃ素早いエリザベス(笑)。
モンストロと化したエリザベス&スーがショーの舞台に出る場面で「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れた時には、2001年宇宙の旅かよ!と笑ってしまった。 この交響詩を作ったシュトラウスがインスピレーションを受けたニーチェの同名の著作に出てくる「超人」の概念は、既存の価値観に囚われず新たな価値を生み出す存在であり、人間が目指すべき姿として定義されている。 女性の体は2000年以上にわたり見る者の目によって形作られ、支配されてきたとファルジャ監督は言う。考えてみれば、そのように女性を縛ってきた古い概念の否定という本作のテーマと、この曲の由来はよく馴染むのではないだろうか。 私は変わっていない私のままだと、「モンストロエリザシュー」は叫ぶ。悲鳴をあげる客席の男女と同じ恐怖に見舞われながら、彼女の叫びに観客の自分までも試されているような気持ちになった。
コメントする (1件) 共感した! (86件) 4.0 デミ・ムーアの執念が視覚効果を凌駕している 2025年5月18日 ネタバレ! クリックして本文を読む 共感した! (76件)- ・お互いのアカウントをフォロー出来なくなります。
- ・お互いのレビュー、コメント、共感した!、Check-in情報を見ることが出来なくなります。
- ・過去のあなたのレビューに対する さんのコメント、共感した!が表示されなくなります。
- ※あなたがブロックしたことは相手側に通知されません。
映画.com注目特集
おすすめ情報
特別企画
注目作品ランキング
- 1 映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台劇場公開日 2026年3月27日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
他のユーザーは「サブスタンス」以外にこんな作品をCheck-inしています。
- (C)2024 UNIVERSAL STUDIOS /
- 「ナイトフラワー」(c)2025「ナイトフラワー」製作委員会 /
- 「キング・オブ・キングス」(C)2025 MOFAC Animation Studios LLC. /
- 「フェザーズ その家に巣食うもの」(C)THE THING WITH FEATHERS LTD / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2025 ALL RIGHTS RESERVED. /
- 「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
© eiga.com inc. All rights reserved.