ブラウン運動
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ブラウン運動

系を不規則に運動する分子を確率的に解析!当ページを見ればブラウン運動について概要を理解することができます。

\[ \begin \begin \text ~~~ m e^t'> \frac(t')> &= \boldsymbol(t') \\[15pt] \Leftrightarrow ~ d \boldsymbol(t') &= \frac \boldsymbol(t') e^t'> dt' \\[15pt] \int_0^t d \boldsymbol(t') &= \frac \int_0^t \boldsymbol(t') e^t'> dt' \\[30pt] \end \\ \therefore ~ \boldsymbol(t) = \frac \int_0^t \boldsymbol(t') e^t'> dt' ~~~ \big( ~ \boldsymbol(0) = \boldsymbol ~ \big) \end \]

ただし時刻 0 における定数ベクトル \(\boldsymbol(0)\) は \(\boldsymbol\) と仮定しました。

式(7)を \(\boldsymbol(t) = \boldsymbol(t) e^\) に戻せば、結果として速度ベクトルが次式で与えられる事が分かります。

ブラウン運動する分子の平均速度

速度ベクトルは式(8)で表される通りランダム力 \(\boldsymbol(t)\) によって決定されます。

結論から示すと、速度ベクトルの平均は \(\boldsymbol\) となります。

それは先の図で示した通り時間変化するランダム力を足して平均を取れば \(\boldsymbol\) になる事が想定されるからです。

つまりランダム力のアンサンブル平均を \(\braket(t)>\) とすれば

といったように \(\boldsymbol\) になる事が分かります。

確率的に変化する量の平均を考えるとき、 2乗平均 が使われることが多いです。

先で示した速度ベクトルは不規則に向きが変化するために平均が 0 となってしまいました。

それは速度成分が正の値や負の値など様々にとり得るために、全体で合計したときに 0 になることが原因だからです。

一方で2乗平均は正の値のみの平均量であるため、必ず 0 以上になります。

となり、ここでアンサンブル平均 \(\braket^2>\) を考えると

さて、ここで問題になるのは式(12)に含まれるランダム力の内積の平均 \(\braket(t') \cdot \boldsymbol(t'')>\) です。

\[ \begin \braket(t') \cdot \boldsymbol(t'')> &= \lim_ \frac \sum_^N \boldsymbol(t') \cdot \boldsymbol(t'') \\[15pt] &= \lim_ \frac \sum_^T \boldsymbol(t') \cdot \boldsymbol(t' + \tau) \Delta t' ~~~ \left( ~ \begin T &= N \Delta t' \\ \tau &= t'' - t' \end ~ \right) \end \]

ここで、アンサンブル平均と時間平均が等しいと仮定して \(T = N \Delta t'\) による置き換えを行いました。この関係は時刻 0 から \(T\) まで \(\Delta t'\) の間隔で \(N\) 個の対象を測定することを表しています。

また \(\tau\) は \(t'\) と \(t''\) のズレを表します。

重要な事は式(13)が \(\boldsymbol(t')\) の自己相関になっている事であり、時刻が \(\tau\) だけ変化したときの自身 \(\boldsymbol(t' + \tau)\) とを比較してどのくらい類似しているかを教えてくれます。

\(\boldsymbol(t)\) は非常に不規則な時間変化をするため、\(\tau\) だけズレた自身とも相関は無いと考えるのが無難です。

一方で \(\tau = 0\) つまり \(t' = t''\) のとき、つまり \(\braket(t') \cdot \boldsymbol(t')>\) は時刻 \(t'\) における自分自身との比較を表しますが、類似どころか全く同じものなのでピッタリ一致しているワケです。

\[ \begin \braket(t') \cdot \boldsymbol(t' + \tau)> &= \left\ < \begin& ~ 0 && \big( ~ \tau ~ \char`≠ ~ 0 ~ \Leftrightarrow ~ t' ~ \char`≠ ~ t'' ~ \big) \\ & ~ k && \big( ~ \tau = 0 ~ \Leftrightarrow ~ t' = t'' ~ \big) \end \right. \\[20pt] &= k \delta(\tau) = k \delta(t' - t'') \end \]

\(\delta(t' - t'')\) はデルタ関数と呼ばれ、引数 \(t' - t''\) が 0 になる、すなわち \(t' = t''\) になるとき以外は 0 になる特殊な関数です。

ランダム力由来の定数 \(k\) ですが、これは系の平衡状態について考えていけば具体的に明らかにすることができます。

平衡状態とは、熱力学的には 十分に長い時間経過したときに系が見かけ上変化しない状態 のことを言います。

\(t \rightarrow \infty\) のとき式(15)で表される2乗平均速度は指数項が 0 に近づくので

で与えられるので、これらから直ちに定数 \(k\) が次のように表されることが分かります。

\[ k = 6 \zeta k_\textT \]

\[ \braket(t') \cdot \boldsymbol(t'')> = 6 \zeta k_\textT \delta(t' - t'') \]

※上述の内容では平衡状態を表現するのに \(t \rightarrow \infty\) の状況を考えましたが、理屈上は式(15)の指数項が 0 と見なせる時間だけ置けば良いと言えます。その時間を緩和時間と呼び、時間減衰する関数 \(e^>\) について時間 \(t\) の係数の逆数 \(\tau\) で与えられます。ただしこの緩和時間 \(\tau\) は本編中に現れる時刻のズレ \(\tau\) とは全く別物であることに注意。ブラウン運動の解析から得られる指数項について緩和時間を考えると、平衡状態に達するまでに必要な時間は概ね \(\frac\) となる事が分かります。

ブラウン運動する分子の位置ベクトル

分子の位置 \(\boldsymbol(t)\) はどの様に表されるでしょうか。

位置ベクトル \(\boldsymbol(t)\) は、速度ベクトルを時間で積分すれば求めることができて

いま積分変数 \(t'\) と \(t''\) は \(0 \leq t' \leq t\) かつ \(0 \leq t'' \leq t'\) の領域で動くことが可能であり、\(t'\) - \(t''\) グラフで示すと次図のようになります。

この領域は \(t'' \leq t' \leq t\) かつ \(0 \leq t'' \leq t\) と表すこともでき、つまり \(t'\) と \(t''\) の積分区間を次のように変更しても問題ありません。

最後、積分変数を形式的に \(t''\) から \(t'\) に置き換えていることに注意してください。

ブラウン運動する分子の平均変位量

式(23)で表されるように位置ベクトルも確率的に決まる量なので、速度の平均 \(\braket>\) が \(\boldsymbol\) であるのと同様に \(\braket>\) も \(\boldsymbol\) となります。

そこで分子の位置についても2乗平均 \(\braket^2>\) を求める事にします。

\[ \begin \boldsymbol^2 = \boldsymbol \cdot \boldsymbol &= \left[ \frac \int_0^t \boldsymbol(t') \left\< 1 - e^ dt'' \right]\\[15pt] &= \frac \int_0^t \int_0^t \big( \boldsymbol(t') \cdot \boldsymbol(t'') \big) \left\< 1 - e^ \right\> \left\< 1 - e^t>\) ほど移動していると期待できるワケですね。

また \(\fracT>\) を新たに \(D\) と定め、拡散係数として扱われることも理解しておきたい内容です。

拡散係数は次元に \([\text^2/\text]\) を持ちます。単位時間あたりの2次元的拡がりを表し、拡散という名称が与えられることにも納得が行くことでしょう。

今年で 物理化学歴13年目 になります。

大学入試2次数学でたった3割しか得点できなかったいわゆる 数弱落ちこぼれ 。それでも好きこそものの上手なれと言ったところか、学会で 最優秀賞受賞 したり 首席卒業 できてしまったので、役に立つ知識を当サイトに全て惜しみなく公開しようと思います。ブックマークをオススメ。

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