プラスチックごみによる海洋汚染に迫る!
プラスチックごみによる海洋汚染に迫る!

プラスチックごみによる海洋汚染に迫る!

プラスチックごみによる海洋汚染について説明します。

不適切に捨てられたプラスチックは軽いものが多く、風や雨に流されて、河川に落ちます。河川はその流れにより、河口から海へ流れ出すため、そのまま海へ漂流するものが出てきます。 海洋に出ていき漂うごみに関しては「漂流ごみ」 と呼ばれ、水面や水中に浮遊します。 風や海流、潮流によっては遠くまで運ばれることがあり、海外のごみが日本で、日本のごみが海外で発見されることもあります。 それだけ海洋全体にプラスチックを始めとする海洋ごみが漂っていることになります。 また漂流したごみ、あるいは河口から流れ出たごみが、 海岸や砂浜に打ち上げられたものが「漂着ごみ」 です。

環境省が行った2016年の調査によれば、全国でおよそ 3万トン もの漂着ごみを回収したとされています。漂着したものだけでもそれだけの量があることから、海洋中にはより多くのごみが存在していると推測されます。

さらに、水を容器内部に取り込んでしまったものの中には、そのまま沈んでしまうものもあり、 「海底ごみ」 となることもあります。 通常は漁具や缶・ビンなどが沈むことが多いですが、ペットボトルやレジ袋などが沈んでいることもあります。 これら 海洋ごみと呼ばれるものの主になるのがプラスチックであり、海洋を汚染しています。

目に見えないマイクロプラスチック

このようなプラスチックは生活排水や工業排水に含まれており、排出され処理が完全に行われなければ、海へと流れ出して漂うことになります。 このような細かいプラスチックをマイクロプラスチックといい、始めから細かく加工されているものを「 一次マイクロプラスチック 」と呼びます。

また、元々はペットボトルなどの大きな形状として作られたものが波や紫外線、外部からの力によって劣化し、崩壊して5mm以下の小さな細片状になったものを「 二次マイクロプラスチック 」と言います。 プラスチックは元々自然界では分解されにくいものであり、細かくなってもその性質は失われないままです。このような マイクロプラスチックは世界中の海に漂っており、多くの生物が体内に取り込んでしまっています。

WHOの報告によれば、現状マイクロプラスチックを取り込んだ魚介類を食べることによる健康への影響は調査研究が進められており、どのような被害が起こるかは分かっていません。 ただ限られた情報だけで判断すれば、飲料水中のマイクロプラスチックが健康に危害を及ぼすことはないとしています。 それでも人工的に作られた物質であり、海洋を汚染していることに変わりはないため、除去する方法や流出を防ぐ方法など対策が必要です。

(出典:政府広報オンライン「海のプラスチックごみを減らしきれいな海と生き物を守る!」,2019) (出典:環境省「海洋プラスチック問題について」,2019) (出典:環境省「洗顔料や歯磨きに含まれるマイクロプラスチック問題」,2016) (出典:国立環境研究所「世界保健機関、マイクロプラスチックの健康影響にはさらなる調査と汚染対策が必要と報告」,2019)

プラスチックゴミによる海洋汚染の実態

プラスチックごみは海を漂流しているため、 海洋生物が餌と間違えて食べてしまう ことがあります。 例えばよくあるのがビニール袋の誤飲であり、クジラが大量の魚やプランクトンを食べる際、一緒にビニール袋を飲み込んでしまうことがあります。 そうなると体内で消化されないビニール袋によって餌が食べられなくなり、死んでしまうことがあります。 これはクジラだけでなく、ウミガメやイルカ、海鳥などの海洋生物にも起こり得ます。

誤飲以外にも、釣具として使用される釣り糸もプラスチックでできていますが、海洋生物の体に絡まり身動きが取れなくなるという事例もあります。 そのままにしておけば餌も満足に取ることができず、死んでしまうことも少なくありません。 プラスチックは研究者の推計によると 年間500~1300万トンもの量が海に流れ出している とされています。 このままいけば 2050年には海洋プラスチックごみが魚の量を上回る とされており、それだけの量が漂流していれば海洋生物が誤飲など被害にあう可能性が高くなります。 これにより生態系が崩れてしまえば、漁業に多大な影響を与えます。漁獲量が減るだけでなく、今後持続的な漁業や海洋資源の開発ができなくなる恐れがあります。

先述したように、プラスチックごみは海流や潮流に流され、世界中の海の至る所に流れていきます。 そのごみは漂着し海岸や砂浜をごみで覆い尽くすだけでなく、美しい海の景観すらも汚してしまうことがあります。 そうなると観光業を主とする国や地域にとっては大きな損害であり、今後さらにプラスチックごみが漂流、漂着するようなことになれば観光業自体が成り立たなくなる可能性もあります。

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