初心者のための鑿(のみ)の研ぎ方 ~研ぎガイド、砥石、裏押しについて
初心者が練習無しでも確実に研げるように、方法さえ分かれば誰でもできるという『研ぎガイドを使った鑿の研ぎ方』を紹介します。さらに「なぜそうするのか」「こういう場合はどうすればよいのか」についてもしっかりと説明していきます。
(また長文コメントですみません…) 砥ぎのゴール(理想の砥ぎ上がり形状)の提示から、順を追って「ではそれをどう実現すればいいか」という形で説明されているのが、とても分かりやすくて良かったです! ツボ万さんのアトマエコノミーは、焼結ダイヤモンド砥石以外の面直しだけでなく、平面性の十分高い電着ダイヤモンド砥石としても使える上、場合によっては名倉代わりの砥泥出しにも流用できて、コスパいいですよね。 特に、頻繁な面直しが必要になるノミやカンナ刃を研ぐ時は、「サッと取り出してすぐ直せる」利便性の高さは代えがたいと感じます。 (シャプトンさんのなおる、12mm厚フロートガラス板+耐水ペーパーの組み合わせも使っていますが、使う前に準備が必要な上、一旦砥石台から砥石を外さないといけない面倒さがあるので、専らアトマばかり使うようになっています…) ただ、取っ手の無いアトマエコノミーだと、砥石に貼り付いて、動かしにくくなることがあるのが玉に瑕…でしょうか? (これは、私が極細(#1200)を使っているせいかも…。さくやさんのお使いになっている中目だと、問題ないでしょうか?) こちらは「研承 面直し用ダイヤモンド砥石 細目」+「15㎜厚アルミ板」を別途購入し、アトマと貼り合わせ25mm厚の分厚いブロックにして、重量と厚みを持たせることで軽減させています。 そうそう、本記事を読んで、veritasのマークIIホーニングガイドを購入しました。 roughさんもコメントで言及されている通り、ガイドに刃物を直角に合わせるのが簡単(角度ガイドのフェンスに沿わせて一発)な上、 刃物を固定するクランプ部が幅広かつ両端固定で安定性が高く、マイクロベベルを手軽につけられる偏心ローラーの工夫もあって感心しきり。 これで7千円台は、お値打ち品だと感じました。 角利さんのホーム砥ぎ器も、決して悪い製品ではない…のですが、 先述の角度調整・直角セットのために「治具のための治具」を作らないと不便な点や、 クランプ部の作りが今一つ(中央一点固定なので、結構ぶれやすいのです)な点などを鑑みると、 初心者向けではないなあ、というのが正直なところでした…。
TAKさん、いつもありがとうございます。 実は、取っ手のあるアトマエコノミーもあるんですよ。そちらのリンクも貼っておきますね。 私は中目を使っていますが、目詰まりすることはありません。目が細かいと目詰まりすると事前に砥石屋さん(砥取家)から聞いていたので中目を選びましたが、正解だったようです。 ただし、それでも砥石に張り付いてしまうことはやはりあります。目の細かい天然砥石の面直しの時は特にそうですね。 そういう時は無理せず、水を使って洗いながら面直しをするようにしています。 Veritasホーニングガイドは本当に便利ですね。初めて聞く方は『Veritasって怪しい名前だな・・』と思うかもしれませんが(私が最初はそうでした(笑) ホームセンターにおいてないから、一般の方には馴染みが無いんですね。 西洋鉋や治具はどれも合理的で機能性が高いものなので、日本でももっと知名度が上がればよいのにと思います。
情報ありがとうございます! 商品名からして「砥石修正用」という潔さ…。 取っ手無し・台付属無しの通常品より高価な上、取っ手が邪魔で、刃物を研ぐ電着ダイヤモンド砥石としての使用はまず不可能…という商品にも関わらず、定番ラインナップになっていることを考えると、 面直し目的でアトマを使っている方は少なくないのだろうな、と思いました。 目詰まりしても、水をかけてササっと手で擦り洗い流せば良いだけ…ではあるのですが、何度も洗いながら面直し作業をする手間を考えると、 これから買う(&砥石の面直しがメインな)方なら、アトマの中目(#325-400)をお勧めするのが間違いなさそうですね…。 目の細かい天然砥石…そういえば砥石台の記事の方で、台の上に載っているのをお見掛けした覚えが。 天然砥石、特に仕上げ砥の砥ぎ感・砥ぎ上がりの具合って、人造砥石とそんなに違うものなんでしょうか…? 本記事でも紹介されておられる、シャプトンの刃の黒幕8000番で十分満足している(というより、まだ1枚使い切ってすらいない)レベルなので、お尋ねするのも憚られるのですが…。 「砥いでいる内に目が細かくなる(人造砥石の砥糞より顕著)」などと聞いてしまうと、一度は使ってみたい…!と思ってしまいますが、 しかし砥ぐ相手との相性、均質でないゆえの使い難さ、保管の難しさ(過度な乾燥で割れることがある、という点が特に怖い)、良質なものの高価さ…等々を考え出すと、常三郎さんの巣板パウダーあたりで満足しておいた方が身のためだな…とも思ってしまい、結局手を出せずにおります…。 Veritas社のホーニングガイドは…さくやさんの記事を見なかったら、その存在を知ることもできなかったと思います。 (そもそも「ホーニングガイド」という単語が出てこなくて、「カンナ 刃 治具」あたりでずっと検索していました…) 優れたモノの良さを、実体験に基づいた使い方のコツまで含めて、丁寧に紹介して下さる記事はやはり貴重です。 改めて、記事の公開に感謝申し上げます。 また長くなりましたが、 新潟旅行記の記事、楽しみにお待ちしております!
天然砥石と合成砥石の議論は宗教論争に近いものになってしまうので、あまり踏み込まないようにはしています(笑 私の個人的な感想で言えば、『刃先が硬くなって長切れする気がする!』『なんかわからんけど研いでいて楽しい!』といったところでしょうか。 ただひとつ思うのは、『砥いでいる内に目が細かくなる』とはよくいわれるものの、それは研泥をドロドロに出す場合の話ではないかということです。 超仕上げに使うような固い砥石の場合、研泥をドロドロ出すような使い方をそもそもしないのではないでしょうか・・。 天然砥石は一度購入すれば一生ものになるので、この先何十年も使うのであればコスパは必ずしも悪くないかなと思います。 (削ろう会の方々は、数十万円の天然砥石を一年で使い切ってしまうこともあるそうですが・・) 合成砥石の研ぎ感がだいたいわかって、その先が見てみたいと思ったときには、天然砥石を選択肢の一つとして考えてみてもよいかと思います。
ご返信ありがとうございます! >『刃先が硬くなって長切れする気がする!』『なんかわからんけど研いでいて楽しい!』 …このあたりのお話を伺ってしまうと、 「研ぐのが手段なのか目的なのかがわからなくなってきている」側の人間としては、俄然興味が湧いてきてしまいます(^_^; >『砥いでいる内に目が細かくなる』とはよくいわれるものの、それは研泥をドロドロに出す場合の話ではないか この部分は「やはりそうなんだ」と、腑に落ちました。 いったん砥泥になる(=砥石本体から研磨成分が遊離する)状態にならない限り、刃物を押し当てる力を原動力に、どうやって目が細かくなるんだろう…?と不思議に思っていたので…。 砥泥がほとんど出ないような固い砥石で、それでも仕上がりや砥ぎ感が違う、のは… 天然砥石の構造が人造砥石とは大きく異なるのが要因の一つなのかな、とふと思いました。 この分野はあまり詳しくないのですけれど、 「戸前は薄片状シリカと絹雲母の積層構造を持っており、その層を剥がすように砥ぎに使用されている(その点で、砥粒を微細化し、結合剤と共に分散させる方向で作られる人造砥石とは大きく異なっている)」 (池野順一ほか,「合砥に基づく新たな鏡面研削用砥石に関する研究」, 研粒加工学会誌, 53(3), 2009, 174-179) といった報告もあったので。 それと、更新された記事を見て、ふと感じたことなのですが… 記事中でも触れられている革砥とコンパウンド(あるいはピカール等)の組み合わせ、手軽に鏡面が得られて楽しいものですけれど、 「革が変形しやすいためか、刃先が丸まりやすい」 「床面の状態が安定しにくく、仕上がりにもばらつきが出やすい」など、 和式の刃物、というか鋭い刃付けが好ましい工具とは、どうも相性が悪いように思っています。 「刃先が丸まりやすい」のは「上手くやれば簡単に蛤刃が得られる」メリットでもあるので、砥ぐのが包丁やナイフの場合なら優秀な性質だと思うのですが… 相手(研磨する対象、切削する対象の双方)によって「最適な砥ぎ」が変わる点にも、砥ぎの難しさと面白さがあるなあ、と。 また長々とすみません、いろいろ興味深いお話をありがとうございました。
天然砥石と人造砥石で構造が違うのは確かにあると思います。論文※の方も拝読しましたが、天然砥石の組成や構造を再現しようという試みはとても興味深いものでした。 このようにして製造された『人造天然砥石』があるのならば、ぜひ実際に研いでみたいものです。 ※https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsat/53/3/53_3_174/_pdf/-char/ja しかしそれ以上に、あらためて『研ぎという行為』の凄さを実感しますね。 刃物を研ぐということは、μmオーダーの砥粒や刃先の状態を指先で感知し、指先の力でコントロールしているということになるのですから。 砥石の七不思議(※論文参照)も気になりますが、その七不思議を識別して使いこなしてしまう人間の感覚の方が摩訶不思議です・・。 革砥についてはご指摘の通りだと思います。 ふかふかの革の表面で刃物を研ぐわけですから、刃先は確実に丸くなるはず。さらにコンパウンドで刃先の研ぎ傷が完全に消えることで、切れ味が向上したような感覚になるのかな・・と想像しています。 西洋鉋(ホーニングガイドを使って研ぐことが前提)の場合は良い結果が得られることもありますが、和鉋の手研ぎとの相性は悪いかもしれませんね。
こちらコメント欄にて失礼致します。 大変こちらの記事を参考にさせて頂いておるのですが、記事を拝見した中で質問がございます。 椅子の削り出しなどで使用する南京鉋では、 ホーニングガイドを使用して刃を研ぐことは可能でしょうか?
南京鉋の刃がVeritasホーニングガイドで研げるか、という質問ですね。 研げないことは無いかと思います。 しかし刃がテーパーに整形されていると付属の角度設定治具が有効に使えないので、毎回同じ角度で研ぐのは難しいかもしれません。 たとえばこちらは、私が持っている小鉋の刃をガイドにセットしたところです。 一見、問題ないように見えますが、しかし実はこの刃、先端の幅が手前より1ミリほど狭いテーパー加工がされています。 そのため刃をガイド(右側のフェンス部分)にぴったり合わせると刃が僅かに右に傾きますので、このまま研ぐと刃先が(際鉋のように)傾いてしまいます。 これを避けるためには、ガイドに頼らない角度調整が必要になるため、手間がかかってしまいます。 ホーニングガイド本体で刃を固定することについては問題なく可能なので、使い方次第では役立つかもしれませんね。 ご参考になれば幸いです。