さわやか!妄言録
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さわやか!妄言録 私は、「エイリアン」シリーズが大好きだ。 1作目から4作目まで、それぞれ監督の個性が際立っていて、面白い。 何と言っても、1作目の「エイリアン」は最高である。 非ヒューマノイドで、コミュニケーションを取ることができない異種の生命体との闘い。なかなか全容を見せないものの、断片的に見え隠れする姿はおぞましい。

私は、「エイリアン」シリーズが大好きだ。 1作目から4作目まで、それぞれ監督の個性が際立っていて、面白い。 何と言っても、1作目の「エイリアン」は最高である。 非ヒューマノイドで、コミュニケーションを取ることができない異種の生命体との闘い。なかなか全容を見せないものの、断片的に見え隠れする姿はおぞましい。 最初は口を開けて見て、怖い場面は手で顔を覆いつつ、指の間から見た。とても怖いけれども、だからこそ目が離せなかった。 宇宙貨物船という閉ざされた空間に潜む異形の恐怖。 そんな異形との闘いを描くホラー映画でもある。そして、あっと驚くような展開と強烈なビジュアルの吸引力たるや。汚い宇宙貨物船、超古代の異星人が遺した謎の遺跡、顔に貼りつく卑猥ないきもの、乗務員に紛れ込む密命を帯びたアンドロイド。 見終わった時、安堵感を覚えるとともに面白さに圧倒された。同じ頃に見た「スターウォーズ」よりも、こっちの方がはるかにインパクトが強かった。 しばらくたってまた見たくなり、名画座にかかるようになったら何度も通い、ビデオソフトで何度見たか数えきれないくらいだ。 何度見ても興奮してしまう。

うれしいことに廉価盤が出ているので、ぜひともお手元に。 一家に一枚、「エイリアン」。

ついに、「プロメテウス」公開の時が来た。 が、宣伝には首を傾げざるを得なかった。「エイリアン」臭をかなり意図的に消そうとしていたからだ。 「プロメテウス」は、日本の公開にあたっては「人類最大の謎」という仰々しいキャッチフレーズを使って宣伝を展開した。人類の起源について描いた映画であるとパブリシティ記事には出ていた。「2001年宇宙の旅」みたいな、深遠なテーマを描いたSF映画のふりをしていたものの、その実態と来たら、底抜け映画だった。 その点を納得できるのであれば、とても楽しめる映画だ。 そう、 バカ映画 として は吸引力 が 強い映画だ 。

映画の冒頭は<騙し>だ。高尚さと荘厳さを装って始まる。 いつ、どことも知れない惑星。 激しい勢いで水が落ちてゆく巨大な滝のへりに、白くて筋骨隆々の巨人が佇んでいる。その上空には巨大な宇宙船が停留している。 巨人は服を脱ぎ、小さな容器に入った黒い液体を飲み干す。 上空に停留していた宇宙船がゆっくり動き出すと、液体を飲んだ白い巨人は突然苦しみ出し、その肉体は急速に崩壊していく。崩壊しつつ、滝の激流に呑まれ、滝壺へと落ちていく。滝壺のなかで巨人はバラバラになる。続いて、巨人の残骸から新しい生命の誕生を思わせる場面が出る。 これが「人類の起源」を描いている場面らしい。 リドリー・スコットによると、この場面は20億年前の地球なのだという。ということは、白い巨人は地球上のあらゆる生命の根源ということになるのだろうか。

「プロメテウス」は、地球に生命をもたらした異星人=エンジニアの存在を知った大富豪がその異星人との接触を目論む物語である。 「地球人のDNAはエンジニアによってもたらされた」という事実を突き止めたピーター・ウェイランドは、エンジニアにコンタクトして永遠の生命を得ようとする。コンタクトに成功したものの、エンジニアの怒りを買って、あっけなく絶命する。 エンジニアは地球に生命をもたらした<創造主> である一方、「エイリアン」で描かれたように完全生命体の生物兵器=エイリアンを開発した存在でもある。 というような謎を秘めたストーリーなのに、実際は知能指数の低いシーンばかり。 でも、それは瑣末な問題である。 この映画は、イカ対マッチョな白い巨人のバトルを堪能するためにあるのだ。

というわけで巨大イカ対巨人の闘いが気になる人は買いましょう。安いし。

大富豪のピーター・ウェイランドに雇われた科学者たちが「プロメテウス号」で未知の惑星に到着した。 調査隊員たちは調査を開始し、知的生命体の遺跡や、異星人の遺体を発見する。ところが、「異星人との遭遇」という大事件に直面しているのに、みんな驚いていないし、興奮もしていない。 かれらは、「大気の組成が地球と同じ」なので、遺跡のなかでヘルメットを脱いでしまう。不測の事態を警戒していないのか?しかも、中でタバコを吸うわ、謎の宇宙生物を発見して触ろうとするわというがさつな行動をする。 選ばれた科学者チームのはずなのに、行動が軽い。 遺跡の中で迷って置き去りにされた二人の調査隊員がいる。かれらは、エイリアンの幼生らしき生命体に襲われて死亡する。一人はエイリアンが体内へ侵入、もう一人は強酸の血を顔に浴びて死んだ。ところが、強酸の血で顔面を溶かされた方が生きていた。しかも凶暴な怪物化しているのだ。そいつはヘルメット無しで地表をうろついてプロメテウスにたどり着き、怪力で「プロメテウス」のクルーを殴り殺していく。 過去の「エイリアン」シリーズでは、エイリアンに寄生された人間が怪物化する描写はなかった。いったい彼はどうなったのだろうか。いっさい説明はない。

アンドロイドのデヴィッドは、遺跡から密かに持ち帰った黒い液体を、調査隊のメンバーのひとり、チャーリーの飲み物に混入する。その液体は映画の冒頭で巨人が飲んだものと同じものらしい。 チャーリーは同僚のショウ博士とセックスする。 翌日、調査隊は遺跡を探査する。 デヴィッドは他の隊員を尻目に遺跡の探査を進め、宇宙船の操縦部のような場所にたどり着き、冷凍睡眠中の巨人も発見する。巨人が地球を目指していたらしいことも知る。 体の変調を訴えるチャーリーは怪物化しはじめる。かれは「殺せ」と懇願し、女性監督官メレディスは火炎放射器を彼に向ける。 それをつぶさに見ていたショウ博士は失神する。 目覚めたショウ博士は、デヴィッドから「妊娠3ヶ月です」と告げられる。チャーリーとのセックスで妊娠、お腹の中では急速に新しい生命が育っているのだった。 異種生命体をお腹に宿したショウ博士は周囲の人間の生死を振り切り、全自動手術台に入る。 手術台は内側に操作パネルが付いている。自分で自分を手術できるという装置だった!ショウ博士は簡易帝王切開手術を敢行。腹をかっさばいて、イカのようなバケモノを摘出する。じたばた暴れるイカはガスを浴びせられて動かなくなる。

ショウ博士は、冷凍睡眠から目覚めたピーター・ウェイランドと会う。彼やデヴィッドらと共に覚醒した巨人に会うために遺跡に向かう。 その様子をモニタしつつ、「プロメテウス」の船長は、この惑星はエンジニアたちの実験場であり、生物兵器の研究をしていたものの、その生物兵器でみんな死亡したのではないかと推論を語る。 巨人は不死を望むピーター・ウェイランドに怒り、大暴れ。デヴィッドの首をもぎ取り、ピーターやそのお付の人間を殺しまくる。 ショウ博士はその場からかろうじて逃げ出す。 一方、巨人は操縦席に座って宇宙船を始動する。首だけになったデヴィッドは、「巨人は地球に行って、宇宙船に貯蔵してある黒い液体を散布するつもりだ」とショウ博士に通信で告げる。 ショウ博士はメレディスや「プロメテウス」の船長にそれを報告、船長は生命維持ユニットを射出した後、地球目指して出発したエンジニアの宇宙船めがけて「プロメテウス」で特攻をかける。ミサイルその他の火器が一切ないのでそれしか阻止する手立てはないのだ。 死にたくなかったメレディスはポッドに入って脱出した。 エンジニアの宇宙船は地表に落下、メレディスとショウ博士めがけて転がってくる! クロワッサンのような、もしくはアルファベットのUの形をした宇宙船が転がりつつ倒れてくる方向に必死に走るメレディス。 で、そのまま潰されてあっけなく死亡。なんで横に逃げないのだろうか。縦に長い建造物に対して縦方向に逃げても助からないことは、子供でもわかるではないか。 メレディスはシャーリーズ・セロンが演ずるだけあって美しい。だけど、よくわからないキャラクターだった。よくわからないまま、死亡しちゃった。演技はなんだかぎこちなかった。アンドロイドだとミスリードを誘うための演技だったのだろうか。

ショウ博士は「プロメテウス」から射出された生命維持ユニットに入る。 手術室を覗くと、死んだと思っていたイカはしっかり生きていて、巨大化してのたくっている!というか、手術室って生命維持ユニットのなかにあったのか。 そこに墜落した宇宙船から脱出した白塗り巨人がやってくる。死ななかったのだ。 しかし、巨人はイカに捕まってしまう。 そして始まる、ショウ博士から産まれたイカのような生命体と白い巨人の格闘。 これがいいのだ。 最高だ。

イカと白塗り巨人が組んつほぐれつする魅力的なシーンにすっかりやられてしまい、繰り返し見ること数十回。 何度見ても爆笑してしまう。 口に肉棒よろしく触手が突っ込まれ、イカの巨体にすっぽり覆われて動かなくなる巨人。冒頭、深遠そうに見えるシーンから始まったのに、悪趣味なグロ画面を高品質のVFXを駆使して描き、挙句がイカ対巨人の激闘である。

映画の最後、ショウ博士は墜落した宇宙船からデヴィッドの頭と身体を回収する。 デヴィッドは「エンジニアの宇宙船はもう一隻ある。そして私はそれを操縦できる」と突然言う。「これで地球に帰れる」 ところが、ショウ博士は「これからエンジニアの母星へ乗り込むわよ!」と戦闘宣言。 かくしてクロワッサン型宇宙船は、エンジニアの星目指して旅立つ。 食料だとか水だとか、補給はどうなっているかは知らない。

おそろしく映像のクオリティが高い「悪趣味」が堪能できて幸せである。 「エイリアン」を再構築したような映画だったのだけれども、細部の描写がものすごくガサツ。脚本の瑕疵なのか、それとも監督の意図するところだったのだろうか。 ま、イカ対巨人があるから全部許す。

字幕も吹替のキャスティングも悪評紛々であります。

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